窓の外には

窓の外では日が落ちる

うすみずいろ、うすだいだい

背伸びの枝らがしなるしなる

風が強いらしい寒いらしい


ここは暖かな個室

電気代も気にしなくていい嬉しい個室


外で枝が揺れるから風が吹いていると分かるわ

日が暮れるのが遅いから冬が終わると分かるわ


でも、今日は、

何年で何月で何日で

私は、誰だっけ、どうして仕事をしていたのかしら?

忘れたわ忘れたわ

窓の外しか見てなかったのだもの

外が恋しくて薄ガラスさえも恋しくて

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る