におい

くん

酔えないアルコールの匂いがしない

くん

機械のリズムも聞こえない

くんくん

人が人として保てるように管理された場所に必要なモノはなんだろう


隣の金切り声?

隣の呟き?

隣のいない人?


匂いは食事以外の時はしない

その時間だけは人間に戻ったようだ

戻れない人もいるけれども


ああ、これが終わったらニオウ

人の最期のニオイ

身体中から吹き零れた残りカス

本音の汚泥

どんなに山奥のサナトリウムでも

ニオウのは好きも嫌いも綺麗も美味しいニオイは無いのだ


あるのは人の腐った最期のニオイだけ

知らなければ知らないで良いと思うさ

でも、お前の周りに誰かが居たら僕の気持ちも分かるだろうさ


早く死ねと願うニオイが

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る