パレード

口笛を吹くだけでパレードになればどんなにいいか

そのうち太鼓持ちやら鈴の音やらと

行列を造りて全てをぐるりと楽しく練り歩き

楽しく笑って生きて行けたら

生きて行けると思っていたら


あっさりと喉は掻き切られ

あっさりと夢想空想脳味噌に消えた

「こんなはずじゃなかった」と

言っても後の祭りだし

今の目の前が現実で

想像予想は明日の金


楽しく生きて行けると思っていたら

隣の奴が憎くて仕方がない

どこで間違えたのかも分からずに

後悔するだけで反省もしない

ただその日暮らしに涙する

「あそこで未来を知っていたら」と


本気で思って想像してみよう

たくさんの楽器持ち達が嬉しそうに笑っている

一緒に歩こうと手を引いてくれる

俺は口笛だけでいいのかい

本当に口笛だけでよかったのかい


なあ、想像上の俺よ

本当に口笛だけでよかったのか

そんな訳ないよな

俺が口笛を吹いている間、季節は動いていた

好き勝手に吹いていればどうにかなると思っていた

だから「今」こうなっている

楽しく笑って生きて行けないと

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