18 "あおさきれでぃお"143回目
「あ、これ美味しい」
「私にもちょうだい」
「はいはい」
「ありがと…ん…あら、ほんとに美味しいわね」
「でしょ?これ…なんていったかしら。ほら、あの黄色いの」
「…"星の月"?」
「そうそれ。それに似てるの」
中のカスタードとか生地のやわらかもっちり具合とか。すごく美味しい。
「っと、皆さんこんばんは。咲澄日結花です」
「っ…皆さんこんばんは。青美知宵です」
「今日もいつの間にか始まってました。あおさきれでぃお143回目」
「…この心臓に悪い放送の仕方やめない?」
「あたしに言われても…そこで座ってる高凪さんとか外にいる史藤さんに聞いて」
「…どうなんですか?その辺」
知宵がスタッフ二人に問いかける中、口内の甘みを烏龍茶で洗い流す。
食事中の放送開始は予想外。ちらっと壁のランプ見たら放送中になってたんだもの。そりゃ驚くわよ。
「これもうちの醍醐味だから無理だね」
「今さら変えるのも変ですから。このスタイルで143回続けてきましたし」
あっさり拒否されてた。
この光景前にも見たことあるわね…数週間前に似たようなこと話してたわ。そのときもあたしは適当にお茶飲んでた気がする。
「はいはいその話は後でね。近況報告から行くわよ。知宵。もう12月も中旬だけど、最近どう?」
「ええと…最近、ね。特に変わりはないわ。寒いのも相変わらずよね」
「まあ冬だし。むしろこれからが本番でしょ」
「これからもっと寒くなるのは遠慮したいところだわ。仕事したくなくなるのよ」
「寒いから?」
「ええ」
その気持ちわからないでもない。でもあたしは冬の方が好きだから全然いい。夏の暑さと比べたら寒いのなんていくらでも耐えられるわ。
「…あぁそう、冬で思い出した。変わったことあったわ。先週から毛布を厚手のものにしたのよ」
「毛布?」
「そう」
「ん…あんた寝具いくつ使ってるの?」
「毛布一枚、掛け布団一枚よ。あなたは?」
「あたしは毛布二枚に掛け布団一枚ね」
「それ、暑くないの?」
「え、別に?むしろ毛布一枚って寒くない?」
「…うちは羽毛布団だから」
「羽毛布団ってそんなにあったかいんだ…」
「ええ。リスナー含めみんな買うべきね」
「へー…あたしも買い換えようかな」
そんなに良いなら買ってもいいかもしれない。布団なんてずっと買い換えてないから…今使ってるのは古いやつだし。
「もう一つ思い出したことがあるわ…年末スペシャルで地方名産品番組のナレーションやりますので、みなさん見てください」
「…それ、出していい情報?」
「ええ。許可はもらっているわ。日程は12/28の水曜日。来週の今日です。詳しくは『地方名産』、年末特番、で検索してくださいね……ふぅ」
「いや、ふぅ…じゃないわよ。別に番宣くらい全然いいけどさ。いつもこんなもんだし…でも今の割と大事な話っぽくない?いいの?そんなテキトーで」
「いいのよ。見てくれる人は見てくれるし、前から見てる人は見てくれるわ」
「…ん?その特番って毎週やってる番組なの?」
「そうよ…というか、『地方名産』のナレーションすることになったって発表したのここよ?」
「あ、そうなんだ。忘れてたわ、ごめんね」
来週の今日…ああ違う。今は17日よ。"あおさき"の放送と同じで、次の放送は21日ってことよね。だとすると、その日の番組終わりに来週スペシャルです、とかなんとか言うのかな。それなら、知宵が今"あおさき"で喋れるのも納得できる。
あと、忘れてたのはごめん。今度見るから。
「いいわよべつに。私の近況はこんなところね。次は日結花の番だけれど、何かある?」
「うーん……ないわ。だってアレとアレはまだ言えないし、あっちもだめだし…あ、一個だけ言えるやつあった」
「いいわよ。なに?」
「12/27の火曜日に、BSのKHAチャンネルで世界遺産特集の番組がありますから、みなさん見てくださいねー。時間はたぶん夕方でした。もうKHAの公式サイトに載ってると思うので、よかったらそっちも確認してみてください」
「KHAって…また有名なところを持ってきたわね」
「ふふ、まあね。KHAでのお仕事は初めてだったわ」
「どうだったの?天下のKHA様は」
「…ねえ知宵。あんたKHA嫌いなの?」
「いえ別に。私のイメージを言っただけよ」
「どんなイメージなのよ…ええと、そんなに違いはなかったわ。ただ、機材が高そうだったのと、人が真面目そうだったことね。みんな
しっかりしてて、愛想もそこそこ良くて、仕事をきっちりこなすようなそんな人ばかり。あたしと知宵みたいな女の人は全然いなかった。みんなかっちりしてて…知宵から雑さと怠さを取り払ったらあんな感じかも。
「それ、城園さんをばかにしているの?」
「え?そんなことないわよ?どうして?」
「ほら、城園さんを見てみなさい。悲しそうな顔しているわ…」
知宵に言われて音響室に目を向けると、椅子に座って肩を落とす城園さんがいた。その背中を慰めるように叩く史藤さん。
悲しそうなのは置いといて、向こうの音全然聞こえないし…なんかあれね。サイレントコントみたい。
「ぷっ…」
「…今笑う要素あった?」
「う、うん。あっちの二人がコントしてるっぽく見えて…と、とりあえず城園さん。ごめんなさいね?」
「…コント…確かに見えなくもないわね。笑うほどでもないけれど」
「ごめんごめん。少し面白かっただけだから。それで、なんの話だっけ?」
前に見た無声映画思い出しちゃったのよ。動きだけで笑わせてくるから結構面白くて。
「KHAでの仕事の話よ」
「あー、それか。ま、結局そんな違いはなかったわよ。お仕事の内容でいうなら、世界遺産とかそういうのは初めてだったから新しく幅ができてよかった、ってところだし」
「そうなの?」
「うん…こんなところでいいかな。あたしの近況報告も終わり。時間は…」
「…5分近く経っているわね」
「…高凪さん何も言わないしいいんでしょ、たぶん」
「それもそうね。それでは遅くなりましたが、"あおさきれでぃお"。今週もよろしくお願いします」
長々と話し込んだオープニングが終わった。軽い休憩。
ただの近況報告がこんなに長くなるとは思いもしなかったわ。
「…ふぅ」
「…ん」
お互いお茶を飲んで一息ついた。
「…なんかさ。今日17だから21って設定で話すの間違えそうになったわ」
「…もう143回目よ?これ」
「んー、そうなんだけど…なんとなく頭が回らなくて。ていうか知宵だって忘れてたでしょ」
「そうね。でも私は疲れてるから仕方ないのよ」
「昨日何時間寝た?」
「9時間」
9時間って…そんだけ寝てたら疲れくらい取れるでしょ。
「寝疲れしたんじゃない?」
「…まだ眠り足りないわ」
この子は…冬眠でもしそうな勢いね。ちゃんと起こしてあげないと。たしか鞄の中に…ああ、あったあった。
「ほら知宵、口開けて」
「ん?なに?」
「ほら早く」
「ええ…わかったわ」
「ほれ」
「ん…うっ」
手持ちのミフリスを口の中に放り込んであげた。最近改良されて新しくなったやつだもの。効果は折り紙つきよ。
「さてと。高凪さん。そろそろ始めましょ」
「…もう始まってますよ?」
「そうですか…うん?」
ええと…うん。
「…日結花。いま少し変な言葉が聞こえたのだけれど、気のせい?」
気のせいじゃないと思う。あたしも聞いたから。
「気のせいじゃないわ」
「この辺カットで」
即答か。まあ気持ちはわかる。でも絶対無理。"あおさき"はいっつもこんなんなのよ…ほら、史藤さんがなにか言ってる。
「知宵聞こえた?」
「いえ…史藤さんもう一度言ってください」
ガラス越しだからか全然聞こえなかった。聞こえなかったけど…たぶんだめとか無理とかそんな感じだと思う。
「…今度は聞こえた?」
「ええ。無理だそうよ。改めましてこんばんは。青美知宵です」
「え、ここで?…改めましてこんばんは。咲澄日結花です」
やっぱり無理だったわね…というか、突然話戻すのやめて。一瞬どうすればいいかわからなくなるのよ。
「それじゃあ、メール紹介に進むわよ」
「もうそんな時間?」
「…いつの間にかなっていたのよ。早く進めないとコーナーができなくなるわ」
「あー、うん。わかった。読みましょ」
単純にオープニングであたしたちが喋りすぎたっていうのと、知らない間に収録始まってたのが重なってこうなったみたい。
「それじゃあ読むわ…あおさきネーム"シンプルカラー"さんからいただきました。ありがとうございます」
「ありがとうございますー」
「"青美さん、咲澄さんこんばんは"」
「「こんばんは」」
「"時間が過ぎるのは早いもので、季節は冬。もうすぐクリスマスですね。クリスマスといえば、以前サンタクロースのアルバイトをしたことがあります。街中のケーキ屋さんがお店の前でホールケーキとか売ってるアレです。仕事そのものは難しくありませんでしたが、クリスマスなのでイチャついている人も多く、自分は何をしているんだ、と少し悲しくなりました。ただ、サンタクロースの格好をしていたためか子供連れのお父さんお母さんから、一緒に写真を撮ってもいいですか?と聞かれることが何度かありました。もちろん快く写真を撮りましたし、子供達が楽しそうで僕自身もすっごく楽しかったです。お二人は、クリスマスやサンタクロースにまつわる思い出、何かありますか?"…だそうよ」
適度に
要約すると、クリスマスサンタコスで家族を楽しませた、ってことになると思う。
「サンタクロースかー。なんかいいわね。子供達と一緒に写真撮るサンタクロースって」
家族の人たちも、この"シンプルカラー"さんも、みんなハッピーね。にしても…クリスマスの思い出。…話せることはそこそこあるけど…なににしようかな。
「わかるわ。私も昔撮ってもらったもの」
「昔っていつくらい?」
「そうね…10歳くらいかしら」
「10歳かぁ…どうだった?その当時のクリスマスは」
「どうって…そんな話すことでもないわ。普通に写真撮ってもらって普通にケーキ食べただけよ」
「ケーキ…そうよね。クリスマスだったわね」
「あなたはどうだったの?クリスマス」
10歳っていうと小学校高学年くらいよね。あの頃は…クリスマスケーキは食べてたかな。それに、クリスマスプレゼントの思い出が強いわ…よし、これ話そう。
「サンタクロースの話は特にないけど、クリスマスプレゼントのことはよく覚えているわ」
「プレゼント?…いったい何をもらったの?」
「ふふん、魔法少女の変身ステッキよ」
「そう…割とありがちね。私ももらった記憶があるわ」
うそ…この知宵が魔法少女の変身ごっこしてたなんて…。
「べ、べつにいいと思うわよ?」
「ねえ、その含み笑いはなにかしら?すごく失礼なこと考えていない?」
「え、そんなことないない。全然ない」
「…おおよそ私に魔法少女のステッキが似合わないとでも考えていたんでしょう」
「そんなことないわ。でもほら、知宵がステッキ振ってキラキラやってたら面白そうだなぁって」
うん、可愛い。この子髪長いからフリフリの服も見映えしそうだし、声も落ち着いてて、いつもとのギャップもすごそうだわ。案外うちのイベントで入れてもいけそうね。
「…やらないわよ」
「えー、もったいない」
「絶対やらないわ!」
「と言いつつも心の底では…」
「やだ、可愛い服着たいっ……なにやらせるんですか高凪さん!!」
「グッジョブ高凪さん。やっぱりいけそうじゃない。可愛かったわよ?」
ベストタイミングでフリを出してくれた。
思った通り可愛さ満載。知宵の声が珍しく少女っぽくなってた。さすが演技力に定評があるだけのことはあるわね。
「なにが可愛いよ、なにが。全然楽しくないわ……今のところカットでお願いします」
「わ、赤くなってる。なになに?知宵照れてるの?」
「べ、べつに照れてなんかないわ。それよりカットの話を…」
「あ、それなら史藤さんがNG出してるわよ」
「くぅ!もう!真面目にやらなきゃよかったわ!!」
「ほらほら落ち着いて。話戻しましょ。クリスマスのことよね?」
「すぅ…はぁ…そうよ。クリスマスのこと…日結花は他にある?」
取り乱した知宵をなだめて話を戻す。
他になら…あれよね。さっきもメールであったしちょうどいい。
「あるわ。さっきのメールでケーキを売ってるとかなんとか言ってたでしょ?」
「ええ。クリスマスケーキの話ね」
「そそ。ケーキ。うちは毎年クリスマスケーキ買ってたのよ。それで、1回二段のケーキを買ってきたことがあるのよ。パパが」
「お父さんが?」
「うん。なんか小説の参考にするとか言ってた」
「なるほど…あなたのお父さん小説家だったわね」
「そうなのよ。それでまあ、大きいケーキになったんだけど…」
「けど?」
「…そんな大きいケーキ食べきれるはずないでしょ?」
「そうね」
「普通食べきれなかったらさ。翌日とか、その次に食べるじゃない?知宵だったらどうする?」
あのケーキはほんとに大きかった。下の段だけで10人くらいは必要なレベル。
「私なら翌日に持ち越しね。生菓子だから当日が理想なんでしょうけど、こればっかりは仕方ないわ」
「やっぱり?普通はそうなのよね。でもうちはちょっと違って、ママが収録に持って行ったのよ」
「…少し待ちなさい」
知宵は頭痛を抑えるように頭に手を当てて目を閉じた。
気持ちはわかる。単純に収録現場まで生菓子を持ち込むのとか、パパが買ってきたのを持って行ったのとか、色々言いたくなるもの。
「一つ聞くけれど、収録の内容は?」
「ラジオ」
「…今みたいな?」
「うん」
「…よく持って行ったわね」
ほんとに。保冷材たくさん詰めて専用の冷却ケースに入れていったの覚えてるわ。今思えば、よくもまあわざわざ持っていったものよ。
実際ラジオのネタになるし、放送で話せるからそこそこ面白いとは思うけど、あたしだったら持っていかない。めんどくさいし。それに、余ったら誰か家に呼ぶわ。それこそ知宵とか。
「パパにもおっけーもらってたし、ママよくわかんないところで行動力発揮するから…」
「…杏さんってそんな人だったかしら」
「うん。そんな人」
「以前あなたの家にお邪魔したときは、そんな雰囲気しなかったわよ?」
「あれはほら、ちょっと挨拶しただけじゃない。一緒にご飯食べたり色々話すればわかるわ」
「そう、なの…じゃあ今度伺おうかしら」
「いいわ。せっかくだし泊まりにきなさいよ」
「…勝手に決めていいの?ご両親に了解取らないで」
「いいのいいの。前から友達でも呼んでみたらって言ってたから」
「ならいいけれど。後で予定確認したら連絡するわ」
「おっけー、よろしく」
友達呼ぶなんて全然したことないから、ママもパパも驚きそう。予定的にたぶん来年だとは思うけど…ふふ、楽しみ。
「ていうか、完全にプライベートな話だったわね。よかったんですか?」
ちらりと高凪さんを見ると、特に問題もないようで軽く頷いた。外の史藤さんを見ても、同じように頷くだけで本当に問題はないみたい…こんなんでいいのか"あおさき"。ううん、前からこんなんだったわ。
「いいみたい。とにかくそれで、収録現場までケーキを持っていったのよ」
「ええ」
「話的には、ただみんなでケーキ食べて終わりなんだけど…ちょっと思ったのよ。あたしたちもケーキ頼めばいいんじゃないかって」
「私たちというと、ここで、よね?」
「うん」
「…どうなんですか?ケーキの注文って」
尋ねられた史藤さんは腕を組んで考える。それから城園さんと少し話をして、口を開いた。
「…今なんて言いましたか?日結花、聞こえた?」
「えーっと、たぶん微妙って言ってた」
「微妙って…また曖昧な」
「まあ、あたしたちの誕生日に持ち込んでくれてはいるから、注文とか持ち込みはできそうよね」
「確かに。じゃあ後は予算関係かしら」
「お金かー…ラジオ的にどうなの?そういうのって」
「経費で落ちそうな気はするわ」
経費って…なんか夢がないわね。いや、それが手っ取り早いのはわかるんだけどさ。
「お二人とも、そこまでにしましょう。話ががめつくなってますよ」
「っと、それはごめんなさい。もう終わりにしましょ。ケーキは史藤さんがどうにかしてくれるわ」
「それもそうね。では、次のメールに行きたいと思います。次は」
「あー、待ってください青美ちゃん。もう終わりです」
「終わりですか…」
「ちょっと喋りすぎたわね。もう時間みたい」
「ええ。仕方ないわ。リスナーのみなさん。今回はここまでとなります。今日は1通しか読めませんでしたけど、いつもはもっと読んでいますから、どしどし送ってください」
「以上、ふつうのおたよりでしたー」
「―――もう終わりって、なんか今日早く感じたわ」
「いつも以上に脱線していたわよ。結局まともにおたより読まなかったじゃない」
「いやー、話したいこと多くて。年末だし?」
「私も同じだわ。ごめんなさいみなさん。次からはもっと読みますから…さて、ここでお知らせになります」
「"フィオーレラストショー"のことね」
「ええ。いま日結花が言った"フィオーレラストショー"。ご存知"あおさき"を作っている"フィオーレスタイル"のイベントが今週末の12/25にあります」
「クリスマスですから、暇な"あおさき"リスナーは来てくれますよね?」
「…そんなに暇かしら?」
「うーん。うちら昼だし時間的にはセーフじゃない?」
「まあそうね…私たちのステージは13時からですので、よろしくお願いします」
「12:30から客席入れ替えになりますけど、30分しかありませんから頑張ってください」
「当日のチケットも少数ですがあるそうなので、まだチケットを持っていなくて来る予定の方々は、早めに来てください」
「あと、物販もあるのでよろしくお願いしますねー。特にDJCD vol.4 石川観光、金沢・加賀山中編が先行販売しますから是非聞いてみてください。vol3と同じでDVDもついてますよー。以上、お知らせでしたっ」
…やっぱり客席入れ替えの時間がおかしい。30分って…時間詰めすぎでしょ。
「来週は…あー、ラストショーのことはまだ話せないわね」
「少し時空がズレているのよ。仕方ないわ」
「じゃあその辺の話は来年?」
「ええ。来年最初の放送でお正月の話も含めて色々することになりそうよ」
「そっか…なら、ラストショーの話も含め年末をどうやって過ごしたかなど、どしどしお送りください。宛先は、あおさき@しきか.net。あおさき@しきか.netです。よろしくお願いします」
お便りたくさんありそうよね…ラストショーの話だけで結構ありそうなのに、年末の話も重なるから増えに増えると思う。今度はちゃんと読まなきゃ。
「…来週の放送で今年も終わりなのよね」
「うん…今年もそこそこ楽しかったなー」
「そこそこって…あなた去年も似たようなこと言ってなかった?」
「え、そうだっけ?」
「確かそのはずだけど…」
「んー、知宵はどうなの?今年」
「今年は結構仕事できたわ…って待ちなさい。この話は来週の放送に回しましょう?」
「そうねー…今はもう時間もないし。じゃ、締めますかー」
「ええ。ここまでのお相手は、私、青美知宵と」
「咲澄日結花でしたー」
「「ばいばいっ」」
ふぅ…これで143回目は終わり。ついにあと一回で今年のラジオ収録も終わりだわ。っていうよりこのあと録るんだけど。
うーちょこっと疲れたー。
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