第151話 帰宅の途 (23)

 それも自身が只今食している、牡蠣ソフトを官能的ペロペロと舐め、『まあ、こんな感じだよ~』と、でも言いたいような素振りで食してみせたのだよ。


 だから我が家の魔王さまよりも、傍で見ていた夫である俺の方が赤面をしてしまい。慌てふためいてしまったよ。


 こんな感じでね。


「レ、レヴィア……。ちょ、ちょっと……。周りに人が……」と。


 う~ん、でもさ、我が家の魔王さまは、これといって気にした素振りもなく。


「別に隠すような事でもあるまい。殿~。以前の殿そうだったが。昨晩も殿が言っていたではないか。どこの家庭の夫婦もしている事だから。自分自身も他の家庭の夫のようにしてくれと嘆願してきたではないか~」と。


 我が家の魔王さまは、俺が昨晩宿の寝床で、何度も嘆願したことをちくわのおじさんや赤穂のお兄さんの前で暴露してきたのだ。


 だから俺はレヴィアに対して憤怒──!


 ではない……。更に赤面をしながら。


「もう、パパをこれ以上苛めないでおくれ、頼むからママ~。お願いだよ~」


 と、妻のレヴィアに対して。これ以上の夫婦の営みのことは他人には暴露しないでおくれと嘆願したのだ。


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