第150話 帰宅の途 (22)

「はぁ~い。旦那さま~」と。


 エヴァは俺の言葉に反応をして直ぐにこちらへと寄り添ってきたのだ。


 でッ、俺の許へとくるとしな垂れかかり。照れ恥ずかしそうに甘え始めた。


 それも牡蠣ソフトをまた自身の小さくて可愛い唇から。これまた可愛い舌を子猫のように出しては、恥ずかしそうに俯きながら、ペロペロと牡蠣ソフトを舐めながら食し始めだした。


 そんな照れ恥ずかしそうに甘えながら、俺の横にいるエヴァに対して、ちくわのおじさんは。


「う~ん、金髪の母ちゃんの方は、つい最近までは生娘だったみたいじゃなぁ~」


 と、言葉を漏らすと。今度はエヴァではなく、家の筆頭奥さまである魔王さまへと視線を変えるのだよ。


 でッ、変え終えると、レヴィアの顔を見て、『ニタァ~』と意味深な笑みを浮かべる。


 そして直ぐに苦笑をしながら我が家の筆頭奥さまに声をかけ……ではないね?


 我が家の偉大な魔王さまから威厳のある台詞が放たれた。


「隣の御主人! わざわざ、殿の子を産んで娘が一人いる儂に、卑猥な事を訊ねなくても、昨晩の宿での夫婦の営みがあった事ぐらい察しの方がつくであろうに……。儂は昨晩、殿にしてくれと多々せがまれたから、何度も尽くし奉仕をしたぞ。このように……」


 と、レヴィアはちくわのおじさんに告げた。

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