第111話 魔王と勇者は、日本で初の販売をしたかも?(13)

 するとまた儂等の売り場の周りからワッと騒めきだすのだ。


「そりゃ~。兄ちゃんが、悪いは兄ちゃんが~」


「ああ~、おじさんの奥さんは、外国の人みたいだからスーパーの袋を知らんのじゃろぅ~?」


「うん、そんな感じやねぇ~?」


 我が家の殿が、売り場の周りにいるお客様から非難の声が。


 儂はその様子を見て慌てふためいた。我が家の主であり。亜ノ国の王となる我が殿を侮り愚弄するとは許される行為ではない。


 と、なると? 儂等の周りにいる者達を皆消滅するしかない。


 儂は、そんなことを思案し。魔力を増幅始めると、隣の御主人が声をかけてきたのだ。こんな感じで。


「おっ! 上島の母ちゃん、商品を貸してみぃ~」


 だから儂は、「えっ? あっ、すいません、隣の御主人……」と、言葉を漏らしながら、隣の御主人へと商品を渡した。


 すると隣の御主人は、自身の売り場の屋根にかけておいた。何かしら文字の書いてある袋を一枚抜きとり。儂から預かったお客様の商品を丁寧に入れて。


「お母ちゃん千円や~」と、お客様に声をかけながら袋を手渡した。


 でッ、お客様から千円受け取ると。


「ほら~。上島の母ちゃん、千円や~」


 と、儂に告げ。お客様から頂いた千円を手渡してくれながら今度は、「商いは初めてか~?」と、訊ねてきた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る