三題噺──三つのお題から出来る物語──

杏堂 水螺乃

『森』『星』『冬』 【1】


 ──今日は、年に1度の星祭りがある。


「ハァーッ」


 寒い中、息が白く染まってく。


「ミルー!こっちだ!」

「うん、分かったー」



 声のする方へ行く。


「遅い!」

「ご、ごめん…………」


 先に待っていた少年は、ニヤッと笑う。



「冗談だよ。ミルはとろいからな~。少し心配してたよ。こんな森の中迷わないかって」

「だ、大丈夫だったもん。それに、毎年この日だけ来てるじゃない!」


 ふてくされて、ぷぅ~と頬を膨らますミル。


「シトルの意地悪さんだ……」


 頭をポンッとし、まぁまぁと宥めるシトル。

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