第22話 がいざー


  13日目 17:00 冒険者ギルド1F酒場



「そのとき奴の眼が語ったのさ、『おまえはまだ修羅の道を生きるのか?』と。俺と奴が交わったのは、切り結んだ一瞬、ただそれだけさ。だが、生まれた時、生きてきた場所、過ごしてきた時間は違っても、俺たちは同じだった。強敵ダチ死合しあい、その命のきらめきを喰らう修羅の道を歩いてきたことは。『ああ、俺はまだこの道を行くぜ』と、奴に斬りつけた。奴は笑っていたさ、『ならば我が命もその糧にせよ』と。笑いながら奴は逝ったのさ。真の強敵ダチだったよ。『俺はいい肥やしになるぜ』それが奴の最後の言葉さ」

 おおぉぉぉぉ、KDA様、あの一瞬にそんなやり取りがあったんですか。俺はてっきりKDA様が空振りして、牛王が大斧をポロリしちゃっただけかと思ってましたよ。深い、深いっす。

 KDA様の武勇伝を聞くためにギルドの酒場に集まっていた冒険者たちは、水をうったように静かになっていた。

「俺はこれからも血塗られた道をゆくさ。喰らった強敵ダチたちのきらめきのために」

 みなプルプル震えている。そして、

「うぉぉぉぉ、しびれるっす、KDAの兄貴ぃぃぃ!」

「おっ俺っ、鳥肌たっちゃいましたよ」

「さすがっす、KDAの兄ぃぃぃぃ、どこまでも付いていきやす」

「抱いて、もう、むちゃくちゃにして」

 感動の涙をボロボロ流していた。

 まだ装備も充分に整っていない少年冒険者が、憧れの眼差しでKDA様を見上げ、

「俺も、KDAさまみたいに、いつか強敵ダチと出会えるのでしょうか?」

 KDA様は彼の頭に手を置いて、

「坊主、おまえも冒険者だろ。強くなろうという気持ち……」

 少年の胸をトントンと叩き、

「そいつを忘れなければ、いつか必ず強敵ダチに会えるさ」

キラッとキメ顔をした。輝いていた。

 駄目っすKDA様、少年しびれちゃって気絶しかかってます。これ以上は危険っす。

 

 討伐が早く終わりすぎたので、俺たちは冒険者ギルドの酒場で時間をつぶしていた。単騎での牛王撃破の噂を聞きつけた一般の冒険者たちで酒場はごったがえしていて、ちょっとしたお祭り騒ぎだった。

 今日のMVPは、もちろんKDA様なのだが、陰のMVPは、ピンクのフリフリ集団から男性陣を守りきった馬謖くんだろう。そのことはみな、ちゃんと心得ていて、一人ずつ馬謖くんの前に行って感謝の気持ちを伝えていた。

 死線を共に潜り抜けたっていうのかな。男性陣の中に連帯感が生まれている。

 うん、こういうの悪くないね。

 ウチの兵たちもKDA様に魅せられ、馬謖くんに感謝し、一つにまとまってくれている。

 当の馬謖くんが虚ろな目でへらへら笑っていることだけが心配ではあるが。

 明日からの政務、ちゃんとできるんだろうか?


 今回のBOSS攻略、その遠征中に狩った獲物の精算や、ギルド長への報告にまわっていたマチルダさんが戻ってきた。

 深紅のパーティドレスに着替えている。

 あのTバックの尻は、長時間だといささか持て余し気味だったが、隠されてしまうと無性に恋しくなる。

「タナカ殿は尻ばかり見ているのだな」

 どうもすいません。あきれた顔も素敵です、マチルダさん。


 一騎打ちによる牛王撃破という前代未聞の討伐であったため、ギルドは参加者全員の記録水晶の映像を編集し、後代に残す資料にするらしい。

 ギルドに提出するのに不都合なものはないか、男性参加者のものを一通り早送りでチェックしてきたのだそうだ。

 約一名を除き、問題はなかったとマチルダさんは言った。

 その一名が誰なのか彼女は口にしなかったが、俺たち男性参加者はみな知っている。彼の尊い犠牲によって俺たちは救われたのだから。

「タナカ殿の水晶も軽く見させてもらったが、尻しか映ってないじゃないか。年の離れた弟のように思っていたんだが、君への認識を改めざるをえんな」

 資料映像の一般への販売はないのかという問い合わせも出始めているため、そのあたりもギルドは検討しているということだ。


 マチルダさんはごったがえしている冒険者たちをかき分け、KDA様の前に進み出た。

「少人数の討伐であったため、ミスリルリングまでしか用意していなかった。KDA殿には不満であろうが、どうかご寛恕かんじょいただきたい」

 深々と頭をさげた。

「金や名声のために戦ってるわけじゃないんでね。今日は魂が震えた。それだけでいい」

 KDA様シブいっす。

 けど、それ以上カッコよくしないでくださいね。マチルダさんが惚れちゃったらマズいっす。そこは俺っすから。ほどほど抑えてくださいっす。

「そう言っていただけると助かる。代わりにと言ってはなんだが、ミスリルリングはやはりオークションにだすことになったよ」

 ランク5の封印アクセの相場は120Mゴルド。

 AランクPTとBランクPTが参加していたのだから、そのくらいならPT内オークションでも落札はされるのだけれど、今回のミスリルリングは歴史的な価値もつくらしい。下手をすれば桁が1つ増える可能性もあるのだ。

 今日はひとまず1人あたり170Kゴルドずつの分配となった。

 リングの分は後日となる。




  13日目 18:00 打ち上げ会場



 場所をホテルへと移し、打ち上げが始まった。

 商業エリアの中でも富裕層が利用する格式のあるホテルだそうで、なるほど調度品ひとつとっても値が張りそうだということは、素人目にも分かる。

 自由な立ち回りができるようにと、華やかに飾りつけられた広間にビッフェスタイルで料理が並ぶ。

 豪華に盛り付けられた料理はどれも旨そうだ。

 どれも旨そうなのだが、口にしてみるとそうでもない。

 ん?

 何か腑に落ちないような顔をしていたからだろう、マチルダさんが

「どうした?タナカ殿の口には合わぬか?」

 と聞いてきた。

 口に合わないというか、見た目の期待を裏切られたというか。どの料理も味付けが悪いというわけでも無いのだが、いまいち味に深みがないのだ。微かに嫌な癖もある。

「魔神様は口が肥えておるられるのですよ」

 近くにいた松葉杖くんが会話を拾ってくれた。

「我が国の料理は素材の味からして異常なくらい旨いのですよ。私は以前仕えていた国で外交官をしておりました。多くの国々におもむいて、饗応きょうおうを受けてまいりましたが、我が国の料理にかなう物など一つもありませんでしたね。こちらに並んでいる料理もリカリスでは高級な部類なんでしょうが、日ごろから旨いものを食べなれている魔神様には不満なものでしかないのでしょう」

「ほう、私もAランクの冒険者だからな、それなりに贅沢はしてはいるが、これ以上の料理というと想像もつかないな。いちど馳走になってみたいものだ」

 一度と言わず毎日食べちゃってください。なんなら明日から王妃で迎えますから。

「我が国の料理の味に慣れますと、他では何も食べられなくなってしまいますよ」

 松葉杖くんの笑みに、マチルダさんは「ほう」っと応えた。

 どうやら興味はもってくれたらしい。


 我が国の料理の味が異常であるということは俺もうすうす気がついていた。

 モンスターの素材からしてチートなのだ。有効活用さえできれば富を生む。

 だがチートだからといって油断はできない。何百年もの歴史の中で力を蓄えてきた国々と、ほんの数年、数十年で渡り合っていかなければならないのだ。チートの1つや2つあったってまだまだ足りない。現に俺が知っているだけでも、杉原たちのように、国が3つも滅び、1つが滅びかけている。

 知恵を絞って金を稼ぎ、まだまだ力をつけていかなくてはならない。



  13日目  19:30 テラス


 宴もたけなわ。

 というか最後の追い込みかな。

 男性参加者31名に対し女性は倍以上の65名もいるのだ。

 20時になれば本日の〆『告白タイム』が始まる。

 それまでに意中の相手を射止めようと、女たちの戦場は白熱していた。


 俺はマチルダさんに誘われてテラスに出ていた。

 夜風にあたりながら、彼女の横顔を見ている。

 キリッとした美人さんなのに話す時は恥じらいを見せる。

 そのギャップがたまらない。

 そんでエロい体つきが、さらにたまらない。


 「タナカ殿に、ひとつ聞いてみたいことがあってな」

 もじもじモードのマチルダさんだ。

 何でしょう。何でも聞いてください。

「タナカ殿のような年頃の殿方というのは、その、年の差について、なんだ、その……」

 テンパって伝えたいことが言葉にできないんだね。

 可愛いっす。要するに年の差を気にしていると。大丈夫、俺は見た目14歳でも中身29歳ですから、マチルダさんくらいが丁度いいっす。

「10歳年が離れている年増の女を、女性だと認識できるのものだろうか?」

「人が人を好きになるのに年の差なんて関係ないですよ」

「そうか?」

「そうです。大事なのは好きという気持ちです」

 もじもじしていたマチルダさんの顔が少し明るくなった気がした。

「弟のような年頃の君に、何を相談しているんだと思われるかも知れないが、相談してよかったよ。自信がついた」

 自信がついてなによりです。自信を持ってその弟のような年頃の男の胸に飛び込んできてください。もうすぐ『告白タイム』ですから。



  13日目 20:00 告白タイム


 

 婚活クエスト最後のイベント『告白タイム』である。

 男女それぞれ1列にならび向かい合う。

 先頭の女性から1人ずつ男性参加者に告白をしていく。

 どんどん順がまわり、一般参加男性の10名とウチの兵隊13名、内政官2名はそれぞれ相手が決まっていった。


 女性残り40名、男性残り6名。

 1人のギャルが鬼武蔵くんの前に歩いてきた。パーティードレスなのにパンツ丸出しだ。ギャルだギャル、紛うことなきギャルギャルだ。

「鬼くんのこと、超だーいす」

「ちょっと待って!」

「ちょっと待ちな!」

「ちょっと待ってよ」

 ギャルっぽい女冒険者たちが『ちょっと待ってコール』を連発した。

 鬼武蔵くんの前に更に9人のギャルたちが走ってくる。

 合計10人のギャルたちが1人ずつ鬼武蔵くんに愛の言葉を囁く。

「「「お願いします」」」

 ギャルたちは一斉に手を差し出し、審判の刻を待つ。

「ケケケケケケケケケケケッ、全部、全部」

 鬼武蔵くんがギャルたち全員を抱き集め会場の出口へと向かう。出口にはミー子とハー子の姿もあった。いきなり12人のギャルギャルハーレムか。微塵みじんうらやましくないけど。


 女性残り30名、男性残り5名。

 その女性はきっと勇者だな。女勇者。なんせKDA様の前に歩いていったのだから。

 当然、嵐のような『ちょっと待ってコール』

 KDA様の前には14名のファンたちが集まった。

「誰か1人を選ぶなんてできない俺だ。それでいいなら付いて来い」

KDA様、カッコいいっす。キラキラしてます。

 肩で風を切って歩いていくKDA様の後を、みんな、キャーキャー言いながら付いていった。


 女性残り16名、男性残り4名。

 ここで周倉くんが動いた。『逆告白』だ。

 周倉くんは女冒険者を1人肩に担ぎ、

「俺がお前をさらっていく」

 おとこ科白セリフをキメた。

「はい」

 女冒険者も合意を告げた。

 シブいね~いぶし銀だね~周倉くん。


 女性残り15名、男性残り3名。

 次に動いたのはピンクのフリフリ集団。

『ちょっと待ってコール』は無く。最初からアントニーオを先頭に7人歩てくる。

 すごい迫力だ。牛王の軍団よりも怖い。

 馬謖くんの前に勢ぞろい。

 怯えていた馬謖くんは、意を決したのか、大きく息を吸い。

「ごめんな……むぐっ!」

 その先は言わせないとばかりにアントニーオに唇を奪われた。

 そのままジャンボさんたちに担がれて、金の神輿に押し込まれる。

「あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝」

 さよなら馬謖くん。君がたちを守ってくれたこと、決して忘れないよ。


 女性残り8名、男性残り2名

 いよいよ大詰めだね。

 男性陣は俺とアンダくん。

 女性陣はマチルダさんを含む赤い薔薇薔薇5名とアンダくんが居たPTから3名。


 一度目を閉じて大きく息を吸ってから、マチルダさんがこちらに歩いてくる。

 そうです、マチルダさん。真っすぐ僕ちんの胸に飛び込んでおいで。

 決意と躊躇ためらい、躊躇ためらいと決意。精悍な彼女の歩みが精彩を欠く。

 大丈夫さ、マチルダ。たちのハッピーエンドは、いやハッピーな物語の始まりはすぐそこだよ。

 マチルダさんは俺の前に立ち、そして

「今日はほとんど話せませんでしたが、貴殿の弓矢に私のハートは射抜かれたようです」

 な・ん・だ・と!

 ビッグどんでん返しだと……

「どうかよろしくお願いし……」

「ちょっと待って」

「ちょっと待ってよ!」

「ちょいと待ちんしゃい」

 俺まで『ちょっと待った』と叫びそうになったわ。この尻出し女め。

 女たちは全員、ああ、全員ね。アンダくんの前に集まっちゃったわ!

 もう、どうでもいい。

 みながアンダくんに手を差し出す。

 はい、はい、アンダくん。1人でも2人でも全員でも、好きにしちゃって、しちゃって。

 するとアンダくんは、

「女は……まだ早い」

 頭を少し下げた。

 スーパーどんでん返しだ。



 


   14日目 未明 白い空間


 結局、一般の男性参加者とくっついた女性冒険者を除き、55名の女冒険者たちがウチに来ることになった。

「アンダ殿はまだ早いと言った。まだ早いということは、この先チャンスがあるってことだろ?」

 褐色尻出し女はけっこう打たれ強かったのだ。

 真面目で痴女でウブでタフ、どんだけ属性盛ってるんだって話だ。

 腹が立つからせいぜい使ってやろうと思う。

 『赤薔薇傭兵団』を立ち上げ、団長に尻出し女マチルダ、副団長にアントニーオ。

 抜けたメンバーもいるので再編成からさせるか。

 あと鬼武蔵くんが連れてきたミー子とハー子も雑用として採用。

 これで人口は57人増の146人になった。


 というわけで、いま俺はサーニアの前にいる。

 本拠地で会えるかなと思っていたら、眠ってからの夢の中だった。

「アイやー、タナカさーん。思ってたより早かったアルねー」

 2週間ぶりってとこかな。

「ちなみに人口100人超えるのにどのくらいかかると思ってたんだ?」

「うーん、3カ月くらいアル」

 滅びるわ!

 つうか私掠空賊団わきすぎで、超ハードモードなんですけど。

「今日はガチャするアルか?ノーマルガチャなら1回ひけるアル」

 そう、そう、それだよ。臣下は一人でも多く欲しい。できれば内政特化な人がいいかな。

「それともあと4人増やして、Dランク以上確定ガチャまで待つアルか?」

 な・ん・だ・と!

「それ聞いてないし、詳しく頼む」

「わかったアル」

 サーニアが言うには、


  人口100増 ノーマルガチャ

    (UR確率 1/1023)

  人口150増 D以上確定ガチャ

    (UR確率 1/511 )

  人口250増 C以上確定ガチャ  

    (UR確率 1/255 )

  人口400増 B以上確定ガチャ

    (UR確率 1/127 )

  人口600増 A以上確定ガチャ 

    (UR確率 1/63  )

  人口850増 S以上確定ガチャ

    (UR確率 1/31  )


 とのことだ。あと10回分貯めて11連ガチャを引くこともできる。

 量をとるか質をとるかの問題だね。

 今引けるノーマルガチャだと約1/2の確率でEランク。いま居るEランク武将はKDA様。KDA様はキラキラ輝いているのでEランクだとしても申し分ない。英雄だしね。でも、KDA様と同じようなステータスでKDA様以外の武将がいたとして、長く使えるかっていえば、無理な感じがする。今は一人でも臣下が欲しいところだけど、後々の事考えると、なるだけランク上のガチャがいいかな。150、いや、250のCランク以上を狙うか。Cランクといえば周倉くん。戦闘特化でも内政特化でも周倉くんくらいだったら、後々まで頼りになるさ。


「今回は保留で」

「わかったアル」

「それと1つ聞きたいことがあるんだが」

「なにアルか?」

「アトちゃんの……」

「あぁぁぁぁっ!まずいアル、まずいアル。タナカさんが劉禅好きなんでクエスト紹介しようと出してたアルけど、言うの忘れて仕舞うのも忘れてたアル。まさか飢え死にしちゃったんじゃ……」

 サーニアはキョロキョロして何かを必死に探している。

 つうか出したもの仕舞い忘れるなよ。サーニアってそういうところあるよな。注意力散漫というか、忘れっぽいというか。確か前回、出しちゃいけないエインヘリアルの方に接続しっぱなしだったし。

「いないアル……まぁいいアル」

 いいんかい!

「もう一人コピーするアル」

 そう言ってサーニアは小さな手に力を籠め始めた。光の玉が現れ、それが赤ん坊くらいの大きさになり、人の形をとる。光がおさまると、アトちゃんが空に浮かんでいた。

「コピーって、そんなことできるのか?」

「Fランクは魂が軽いアルよ」

 魂が軽いとか言うなよ!

「じゃ孔明とかも、もしかしてコピーできるとか?」

 ポンコツでない孔明先生とか欲しい。

「それは無理アル。Rランク以上のエインヘリアルはいくらか神格化してるアルから、魂のコピーは無理アル」

「そんじゃSランクの馬謖くんとかは?」

「できなくもないアルがS、A、Bあたりのランクは魂が重いアルから、神力があっても絶対したくないアル」

「そんじゃCランクの周倉くんは?」

「C、D、Eランクも結構重いアルから、まずしないアル」

「じゃFランクは?」

「軽いからいくらでもしてもいいアル」

 Fランクの扱い軽っ、つうかアトちゃんコピーするとか、扱い雑すぎ。

「それじゃ、劉禅クエスト受けるアルか?」

 いや受けないし、つうか今いるアトちゃん引き取ってもらいたいんだが。

「いや受けないよ。それで……」

「がぁぁーんアル。それじゃもう時間だから消えるアル。次会うのは眷属が150人超えたらだから、すぐアルね」

 そう言いながらサーニアは光はじめた。

 つうか人の話を聞けよ。

「最後にこれだけは言わないといけないアル。大事なことだからよく聞くアル」

 サーニアを包む光が強くなっていく。

 なんだよ改まって大事なことって。

「ミントのタブレットを口に含んだまま、コーラを飲むと、とんでもない事になるアル。忘れないで」

 どうでもいい事だし。つうかそもそもこの世界にコーラとかタブレット菓子とかねえし。

 ひときわ強く光ったあとサーニアは消えた。

 結局アトちゃん引き取ってもらえなかったよ。

 まぁ、今夜また会えそうだから、その時でいいか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る