剣姫と大剣《グランデスパーダ》

爆魄狂華

序章

幼きあの日

 暖かな春の日差しが心地よかった。


 少女たちは数奇な運命だった。

 幼い頃に両親が事故で死んだ。

 誰も頼れる人はいなかったけど運よく貴族の旦那さまに拾われて、住み込みで働いた。

 幼い二人にとって仕事は大変だったけど、必死に働いた。


 少女たちは奇抜だった。

 姉は燃えるような紅い髪に活発的な紅い目をしていた。

 妹は透きとおるような蒼い髪に物静かそうな蒼い目をしていた。

 奇抜な自分たちを拾ってくれた、貴族の旦那さまには感謝していた。


 少女たちは幸せだった。

 つらいこともたくさんあったけど、幸せだった。

 お互いを信じあい、助け合い、妹のためなら、姉さんのためなら、死んでもいいと思えた。





 お互いがいない世界なら生きている意味なんてなかった。


 そんな世界は壊してしまえ。


 そんな世界は呪ってしまえ。


 少女は生きる意味を見つけた。


 その思いは少女を強くさせた。


 その思いは少女を孤独にした。





 数奇な運命だったから?


 奇抜だったから?


 幸せだったから?


 






 そんな悲しい少女のお話……





 そんな悲しい少女を変えてくれた、一人の少年のお話。




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