うちの嫁には生えてます!?
ながやん
第1話「プロローグ」
ふと目を覚ましての、トイレ。
立って小用を済ませる音が、深夜の静寂にやけに響く。
何か大事なことを忘れているような、それ自体を覚えていないような。
「……なんだっけなあ。なんか、こぉ……大事なことがあったような気がする」
ぽつりと
勝手知ったる我が家は、独身一人住まいの小さな借家だ。
もそもそと美星は寝室へ戻り、
だが、全く予想もしない弾力が触れてきた。
「ん……あ、えっと……ああ、
そこには、
美星がトイレに立った時に、精一杯の勇気を振り絞ったのだろう。夫婦の
寝入った様子だが、ひょっとしたら起きてるのかもしれない。
美星は改めて、愛らしい
そう、
暗くて全然見えないが、柔らかさと温かさは本物だった。
「名前……そういえば知らないな。聞いてなかった」
それはそれとして、まだまだ寒い二月の
酒の酔いも残る中での、けだるい眠気に今は
ふわりといい匂いがして、身を
そのまま今夜は、このまま朝まで……それで勘弁してもらおうと優しく抱きしめた、その時。
「……ん? これは……?」
手が、
何より、飛び起き絶叫する気力もない程に眠い。
そして、立派なモノが生えてても嫁は嫁だ。
そう……うちの嫁には生えています!?
「まぁ、いいか」
ただ、おずおずと抱き返してくる少女のぬくもりが、その時は嫌ではなかった。
そして、再び訪れる眠りの中で彼は思い出す。
ついさっき我が家に来た、押しかけ
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