正義のヒーロー

オレの名は正義のヒーローゲッターマンだ、誰がいつ俺を正義のヒーローだといい始めたのか知ったこっちゃないが、気づいたらそう呼ばれていた。今日も気づいたら悪人を3体も懲らしめてしまった、そうして晴れて正義の味方になったわけだが自分からそれをのぞんだわけではないのだ。


キャー!


遠くから悲鳴が聞こえる。俺は変身してゲッターマンになり、さっそうと現場に登場した。俺は戦慄した。


「どうしたんだゲッターマン!」


取り囲んでいた子供たちが身動き一つ取れない俺を見て騒ぎ出した。


「フフフ、お前の弱点などお見通しだ!」


怪人は言った。ダメだ、この怪人は俺には到底倒せそうにもない。


「将来はひよこ鑑定士になりたかったらしいな」


「な、なぜそれを!」


「おまえの卒業文集だ!ヒヨコの格好さえすればおまえは手も足も出ない!」


俺は思わずヒヨコ怪人の股間を触った。


「な!なにをする!」


「オスだ……


俺は生まれて初めて夢をかなえた。怪人たちの世界征服などどうでもいい。

俺はTシャツとジーンズに着替え、その場をあとにした。

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