癒し


シュンがダチになって初めてのお昼休み。


「スゲー!シュンの弁当美味そー!あ、タコさんウィンナーだ!」


「確か一人暮らしだったよな?自分で作ったのか?」


「そやけど」


ソウヤはコンビニで買ったおにぎりとお茶。


シュンは自分で作った美味しそうな弁当。


リョウタロウは…


「俺んとこは母さんが愛情を込めて!込め…」


タッパーにレンチンのチャーハンのみが詰め込まれていた。


「ジュン”ー!」


「なんで俺やねん!?…んー、しゃーないな…だし巻き玉子食うか?」


「食う!」


シュンが渋々言うと、リョウタロウは目を輝かせ即答する。


「ホントシュンは甘いな…」


ソウヤがボソリと零した。


「んじゃ、シュン!アーンして!」


「なんでやねん!ええ加減にせぇや!」


「ングッ!?」


口を開けたリョウタロウにズボッと勢い良くだし巻き玉子を突っ込むシュン。


「ナイスシュン」


褒めたのはソウヤだった。


「それは喜んでええのんか?」


「俺シュンがいるから楽だわー」


「だし巻き玉子んめー!つかソウヤ!シュンを取るな!俺のだ!」


「シュンは俺の癒し」


シュンに寄りかかりつつ譲らないソウヤと突っ込まれても食べながら割って入るリョウタロウ。


「俺、誰のものでもねぇんだけど…」


一番の苦労人はシュンであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る