ハーレム


ある日、リョウタロウに呼び出されたソウヤはダルそうに重たい足取りでリョウタロウの家に向かった。


なんだか嫌な予感しかしない、と思いながらリョウタロウの家に着くと、インターホンを鳴らす。


するとすぐにリョウタロウが出迎え、中に入るよう促した。


「よく来たな!ソウヤ!」


「今度はなんなんだよ…」


「良いからこっち来いよ、あ!目は瞑っとけよ?」


「はぁ…」


ソウヤはあまり乗り気ではなかったが、仕方なく目を瞑ると、リョウタロウに手を引かれ部屋の真ん中まで連れてこられた所で止まらされた。


「よし!もう目ぇ開けて良いぜ!」


「…………」


ソウヤがゆっくり目を開けると2人を囲んだ状態でダンシングサンタが5体置かれていた。


その光景にソウヤは開いた口が塞がらない。


「ほらハーレム!」


「増やしてんじゃねぇ大馬鹿者!」


やっぱりツッコミが入った。


「やっぱ一人だけじゃ可哀想かなと思ってさ!ほれ踊れサンタさん!」


リョウタロウが手をパンパンと叩くと5体のダンシングサンタが一斉に腰をくねらせ始めた。


「やめろ超絶ド変態!俺は帰る!」


と、ソウヤはキレて帰ってしまった。


「ソウヤのいけずー!でも良いんだ、ハニー達に囲まれて幸せだから」


リョウタロウはソウヤが帰ったあともダンシングサンタ5体と幸せそうにしていましたと。


めでたしめでたし……では終わりそうにはまだならなそうだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る