第3話 カノジョ


嬉しい事は、まず心友に。


「ソウヤー!俺、彼女出来た!!」


「良かったな」


そう、念願の彼女が出来たのだ。


「ウーパールーパーのウーちゃん!」


人間ではないが。


「…お前、この間言ってたマリモはどうなった」


「マリコちゃん?湖に帰したけど?」


いや、マリコちゃんも良い子だったんだよ。


真ん丸で可愛くてお淑やかで。


だけどウーちゃんのあのつぶらな瞳には勝てなくて、泣く泣く別れを告げたのさ。


「ちゃんと阿寒湖に戻しただろうな」


「おぅ!森へお帰りって。ナウシカの如く」


「マリモはオームじゃねぇ!」


ツッコミを入れてくれるソウヤも好きだ。


「そんな嫉妬するなって」


「してねぇ!」


「わりぃけど今はウーちゃんに夢中なんだ、だからお前に構ってやれなくなるかもしるないごめんな」


「…ウーちゃんだかパーちゃんだかどうでもいいが、課題はやって来たのか?」


あ、ウーちゃんに見とれてて忘れた。


「ソウヤー、お願い見せて!」


「ウーちゃんに見せてもらえ」


「バカ野郎!ウーちゃんの手は繊細なんだぞ!そんなこと出来るか!!」


その前に人じゃないって?


ほら、愛は盲目って言うじゃん。


ソレと一緒だよ。


これからも愛してるぜ、ウーちゃん!


「俺、先に行くから。変態の隣歩きたくねぇし」


「あ、待てよソウヤ!」


しょうがねぇからたまにソウヤの相手もしてやるか。


ソウヤ、俺以外の奴を好きになるなよ?


俺は全生物愛してるけど。


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