episode0-2
僕には幼馴染がいる。
その幼馴染、女子だから彼女としよう、幼馴染の彼女はとあるものに憧れている。
もしかしたら、それは恋という感情に近いのかもしれない。そう思い始めたのは、彼女への恋心を自覚し始めたころだろうか。僕が彼女に恋をしているということは、彼女以外の人間は気づいているらしい。表情に出にくいと言われる僕なのに、これだけはわかりやすいらしい、まあ肝心の彼女には気づいてもらえていないのだけれど。本題に戻ろう、彼女は幼い頃に読んでもらった絵本に出てきた天使に憧れている。僕はその絵本の内容もその天使のこともはっきりとは覚えていないが、あの時のキラキラとした彼女の表情だけは忘れないで覚えている。きっとそれが、僕が彼女に恋をした瞬間なんだと思う。
その彼女について、もう少し話したいと思う。
天使に憧れいる彼女の周りのものにはほとんど天使のイラストが描かれている。ほとんどというのはいくら手作りしたとしても限度があるため、全部が全部そうではないということだ。
そして彼女は天使の次に空を見ることが好きだ。
理由は今でもわからないが、彼女は気がつけば空を見ている。そんな彼女の隣に居続けたからだろうか、僕も無意識に気がつくと空を見上げていた。
そんな癖がついてから数年、僕は見るだけではなく、その空を描くようになっていた。
その行為はただ彼女と見た景色を忘れないためなのか、ただ描きたいだけなのか、彼女が歳を重ねるごとにわからなくなっている…
天使の話(仮) Crane @kikyou
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