真・電撃結婚 地球廻しの段!
かくしあじ
第零章 “S”AMEN
「ああああ!!!」
「アアアア!!!」
なんと、これはいわゆる膣痙攣! 男は焦って腰をぐるんぐるん捻りなんとかペニスを抜こうと足掻くが、なんとも力強きはその膣圧。万力のごとく締め上げるマン力に手も足も出ず、せめて精液さえ出せればイチモツも縮んで隙間ができようはずが、痛みにもめげす未だ天を向き続けるその分身。女は金切り声をあげ男を足で押しのけようとするも、しっかと銜え込んだ恥部は離れがたしと抱き合ったまま。
「いてえ! いてえよファック!」
「痛いのはこっちだよ、とっとと抜きやがれアアアッ」
互いに罵声浴びせる勢いは激しいが、内心とんと困り果てる両者。このままいけばやがて世話になるのは救急車。産科か婦人科かあるいは外科か。尻丸出しで腰を押さえられすっぽんと抜いてもらえばそりゃ助かるものの、守る恥もない男と異なり、嫁入り前の身にはとても耐えがたき屈辱。携帯電話にちらちらと視線やりつつもヘルプミーを叫ぶにはちと覚悟が足らぬ。頭の横に転がるローションボトルを鷲掴み、仏にもキリストにも祈るつもりでだばだばと股を濡らすも、太ももの摩擦係数が減るばかりで接合部の噛みあいに変わりなし。そうしているうち襲い来る第2波!
「ああああ!!!」
「アアアア!!!」
女はたまらず首をのけぞり、その苦悶の顔は艶やかにして目に宿る色は夜叉のごとく。男半泣きで目をつぶり、何とか高みに達しようと狂ったように腰を振る。奉仕の甲斐あってかやや緩む壺を気合で擦りあげ、希少なる5ミリリットルの粘液今放出を果たした!
「おお……ッ!?」
「アアーーッ!?」
おお、精を放ってコンマ8秒、なんと誰もが目を剥くこの惨劇。見るがいい、男と女は結合部分を軸に、目に見えぬ力によって引きはがされた! 天使のいたずらか、悪魔のたわむれか。今までしっかと抱き合っていた性器と性器は相手の体を拒絶するかのように互いを弾く。ずっぼんと音立て逆方向に吹き飛ばされた哀れな二人は、それぞれ窓枠と壁に仲良く頭ぶつけて悶える始末。女はそのまま大股広げて失神し、男は服かき集めると下だけ履いて這う這うの体で逃げ帰る。
ズボンずり上げ走り去る男は知らない。自身の体の異変を! あの瞬間、二人を弾いたその原因は、紛れもなく男の精液にあったことを! そしてこの瞬間から、男の体に巣くう大いなる力はますます回転数を上げ、その回転はやがて地球全体を巻き込む事態になることを!
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