第2話


しばらく歩いたが、とりたてて何かあるわけではなかった。


周りを高い木々に囲まれた、薄暗く何の変哲もないただの山道だ。


時折鳥の声が聞こえるだけの。


俺は少し失望しかけていた。


だが道が終わったわけではない。


この先に何かがあるかもしれない。


俺は気合を入れなおして、そのまま歩いた。


そしてそれは突然現れた。


ゆるいカーブばかりだった道が、直角に曲がっていた。


そこを曲がると目の前にあったのだ。


木々が邪魔をしてどれほどの高さがあるのか判別はつかなかったが、崖があった。


そしてその崖に穴が開いていたのだ。


高さが2メートルほどのトンネル状の穴。


自然に開いた穴ではない。


明らかに人の手によって造られたものだ。


山道は穴に向かっていた。


と言うことは、この道は穴に向かうために造られたのか。


それとも道が先で穴が後なのか。

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