第30話 『十二月のウィッチガール』
欧米のクリスマスもので見かける紅白ネジネジなステッキ状のキャンディのことをキャンディケインというそうです。
他愛もないこの話を書くことがきっかけで正式名称を知ることが出来ました。この話を書こうとしなかったら永遠にあの「クリスマスのあの、ステッキみたいな飴ちゃん」と呼んでたと思います。
小説を書くことって意外な知識が身に着きますね……というわけでピクルズジンジャーでございます。
いろんなところで散々言っとりますが、とにかく2018年下半期がそりゃあもうとんでもなくリアルでもカクヨムでもどうにもこうにもしんどい日々でございまして、とくに十月十一月など地獄の有様でございました。
とりあえずリアル上の問題は十二月中旬で片が付き、ほっと安心することができるようになったわけであります。
とにもかくにも辛かったので、自分を甘やかすだけのための話が書きたくなったのでしょう。とにかくしんどさの極みだった十二月の初旬にスマホに下書きを始めていたのが、自作に登場する登場人物がクリスマスをネタにだらだらおしゃべりをしたり、いちゃいちゃしてるだけというこちらのSSになります。
もう開き直って会話ばっかり続いています。ストーリーらしきものもほぼないです。
ただもう、なんとなく日常が幸せであるというような話が書きたかったのじゃ……。動機などそれだけじゃ……。
原型では、二十五日には必ずミサにでなければいけないのに、様々なトラブルが立て続けにおきたせいで主役カップル二人がトンネルの向こうにある異世界から帰れなくなってしまうというアメリカ産シットコムみたいなドタバタ話をやる予定でした。が、「連載作もあるのにそんな凝ったことをやってられるかー!」と私の脳内でそういう決定がくだされたためにこのような形となりました。
ちなみに原型ではキリサキキッカとアサクラサクラも出す予定ですが、余力ななくなったために出番は全カットした次第です。ちなみにマリア・ガーネットは二人にも一応プレゼントを贈っています。
今回意識したことは「放課後のウィッチガール」で出してあげられなかったジャンヌ・トパーズを目立たせてあげること、この人はもうちょっとちゃんとした形で出してあげたいなと機会を伺っていたジェイクの出番を作ることでした。
おかげさまで、ジェイクという人のウザいい人な所や、マルガリタ・アメジストの屁理屈とおしゃべりにイライラしているところやなんかは書いていて楽しかったです。自分を甘やかしたいという目標だけは達成できました。この人のおかげで、とにかくイケメンとして演出せねばならないと書く側からしてみると非常に緊張を強いる立場からマリア・ガーネットを解放できたのもよい効能でした。
まあ、女子校の若い男の先生とか、教育実習の先生だとか、小生意気な女子中高生に絡まれやすいタイプの男の人なんですよ、この人は、ということで。
ちなみにどうしてこういうお人よしな人が、異世界からきた悪い妖精などを問答無用で狩りまくる組織の一員としてやってるかということに関しては「お家が代々エクソシストをやっているから」とかなんとかそういう理由があることになっています。要は世襲です。
一応ほのぼのした話ではありますが、マルガリタ・アメジストとジェイクの会話の内容はあんまりほのぼのしてないことなどを察して頂けますと幸いでございます。
告解室、というシチュエーションに憧れて書いたところがありますので、いろいろと実情と大きくことなっていることと思いますがロマンを優先させておくれよう、ということで(私の書くものはそういうだらしなさがすべてにおいて勝っているのがよろしくない)。
そんなわけで、とりあえず自分への甘やかしが勝ったような小話ではあるというものの、あの二人のある年の十二月はこのように穏やかなものでしたんですよということも描きたかったのも偽らぬ本音でございます。
わたしのせいで七年間も悲惨な町で閉じ込めてしまったのでクリスマスくらい浮かれさせたろうやないかい、という親心が暴発したといってもおかしくない。
そんなわけで、今年のクリスマス話は以上になります。来年もクリスマスネタでなにかしら書ければよいのですが。
次に更新するのは連載作の続きか、それとも突発的に降ってわいたネタで書いている短編のどちらかになるかと思います。どちらが先になるかは未定ですがその時にまたお会いいたしましょう。
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