第12話 『月夜の森の魔女学校。』

 誰に訊かれたわけでもないのに自作についてダラダラ語る毎度のあとがきです。


 裏話は興がそがれるしイヤだなあ……という方にはお勧めしませんが、それ以外の方はお暇な時にでもお楽しみください。


 ◆きっかけ◆


 近況ノートで散々触れていましたが、今作はもともと「日帰りファンタジーコンテスト」用に執筆を始めたものの、規定枚数にどうしてもおさまらないのが判明したため下書きで断念し、それから二か月近く放置していた作品です。


 もともと書きたかった物語なのに途中で放置していたのがどうにもこうにも気持ちが悪いので、前作完結後に最後までかき上げることを決めました。

 おかげさまで完結までこぎつけることができ、ほっと安心しております。


 ちなみにその時、今作の世界観だけ流用してコンテスト用に用意したものが『ショッピングモールのえる子と私。』になります。

 こちらです。百合です。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884001180


 ……これ以降、1999年に恐怖の大魔王がやってきたせいでなしくずしに異世界諸文明との交流が開始していしまった現代社会というトンチキな世界観やキャラクターを使いまわした結果、前作で無駄に壮大なことになってしまいました。


 ですが、もともとこの世界観は、本作のために用意したものだったのです……。



 ◆そもそものきっかけ◆

 

 カクヨムを始める以前、どこか異世界にある魔女学校にまた別の色々な世界から個性豊かな女の子たちがやってきてどったんばったん愉快な大騒ぎをする……というような物語をぼーっと考えていました。

 今作はそのぼーっと考えていた物語のプロローグにあたるものです(連載漫画の読み切り版とも言えるような)。


 そして何故に異世界の魔女学校に個性豊かな女の子が集まってどったんばったんな話をかんがえていたかというと……まあぶっちゃけ「わたしのかんがえたプリパラ」をやりたかったのでした。


『ショッピングモールのえる子と私。』のあとがきでも触れていますが、プリパラのすっとんきょうなくせに女子の尊厳と友情を謳う尊い世界観と物語に魅せられるあまり「あたいもプリパラみてえなお話が作りてえ」という謎のテンションに達した結果こしらえたのが上のような物語です。


 学校の帰りに日常的にふらっと立ち寄れるのが仮想空間ではなく異世界だったら……? 異世界に遊びにいくのがごく当たり前な世界ってどんなんだ……というような所からスタートして生まれたのが1999年に恐怖の大魔王がやってきたというアホな世界観だということになります。



 異世界もののファンタジー小説が好きな人、ヒーローものの特撮が好きな方、ロボットアニメが好きな人、魔法少女アニメが好きな人、その他ジャンルで「自分もこれをやりてえ!」という心意気からオリジナル小説を発表される方が多くいらっしゃるとみられるweb小説界……、リスペクト対象がプリパラであるという物語が一つくらいあってもよろしかろうという心意気で臨みました(登場人物の名前にちょっと一部それが現れちゃいましたが)。


 

 ちなみに魔女学校の設定には、猫部ねこ先生の「ムーンライト・マジック」という読み切りマンガのイメージがベースになっています。好きな漫画でした……。



 ◆めざしたもの◆

 

 前作の一人よがりっぷりを反省し、今回はとにかく王道というものを目指しておりました。


 可愛くて楽しくて、とにかく女の子が頑張って動いた結果成長するような読後感のよいものにしよう! が、目標でした。目指したものはニチアサかテレ東の夕方、『りぼん』や『なかよし』に『ちゃお』、青い鳥文庫やつばさ文庫な雰囲気のエンターテイメントです。


 それに合わせて最初三人称視点だったのを、女子中学生の一人称に切り替えました。

 方言話者には標準語圏にいる女の子のナチュラルな話し言葉がわからないこともあり最初はかなりこっぱずかしかったのですが、慣れると結構楽しかったですね……。もともと「あたし、○○!」って名乗り出すタイプの小説に親しんだ世代でもありますし、この文体にしたおかげで話が進められたところも結構ありました。

 


 ◆くろうしたところ◆


 望月真帆の性格がウジウジしすぎた……。

 この子は本当になんなんだ、鈴木星子はよくこいつと仲良くしてるな……と作者ですらあやうく愛想をつかすほどのウジウジさ加減でした(そんなキャラクターを生み出したのは自分の癖に)。でも今まで書いた小説の登場人物で一番わたしと性格が似ているのは間違いなくこの子だと思います。


 主人公のウジウジが最高に達する6~7章が大変特に大変でした。



 ◆そのほか◆


・望月真帆の生活する自治体は、近い将来過疎高齢化するを懸念するあまり、現代魔法を率先して教育の現場に取り入れることによりほかの自治体に先んじて現代魔法文明圏の各種企業を呼び込むというキテレツな地域おこしを画策、その結果のあれやこれやで真帆は魔女学校に通えることになった……という設定が一応あります。


・勉強しようと連載中に読んでいた『スクリプトドクターの脚本教室 初級篇』という本が思っていたよりも助けになりました。よいご本ですよ……。


・この物語にはかかわらないので出しませんでしたが、真帆、ソラミの他にも魔女学校には生徒がいます。

 この子たちも登場するのが一応この物語の本編と言うことになります。いつか出させてあげたいのですが、その物語が書けるのは当分先になりそうです。


・もんじゃクレープは実在します。結構おいしいです。


・当初「意識が高い優等生魔女のツッコミ役」という性格しかなくなかなか動かしにくいキャラクターだった真宵ソラミですが後半はかなり動いてくれるようになりました。ソラミが真帆をセンパイ呼ばわりするのはペパーミントパティとマーシーを意識してるのかもしれません。



 

 主人公が悩んだ末に行動をおこし現状を打破する……という物語を書くのは自分には無理だと思っていたので、とりあえずそれをやりとげた達成感はあります。うまく書けているかどうかはやっぱり自分ではわかりませんが。


 王道を意識したわりにPV数の伸びなどでちょっと悩むところはありますけれど、ありがたいことに評価や応援もいただく可愛い子になりました。



 多くの方に楽しんでいただければそれ以上ありがたいことはありません。

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