第9話:メインプレイ:ミドル1

GM:では先に進もう。次はミドル。シーンプレイヤーはローザだ。

ローザ:シーンイン! (コロコロ)2点上昇、46%!

GM:さてローザ、君は陽介を連れて、人気のない場所……学校の屋上に向かう、でいいかな?

ローザ:おっけーだよー。

GM:では……君の目の前で、陽介はそわそわしながら独り言を呟いているね。

陽介(GM):「参ったな、なんて言って断ればいいんだ?

 俺には千枝が……いや、これはちょっと恥ずいし……」


ローザ:そうじゃない、そうじゃないんだー!(笑)

昭人:陽介ェ……。

GM:ふははは。


ローザ:「ここなら人目はないか。よーすけさん、大事な話だから、よく聞いてね」

陽介(GM):「っ……おう、聞かせてくれ。俺なりに、誠意を持って答えるからさ」

ローザ:「誠意? まあいいや。話っていうのは――」

陽介(GM):(ごくり)

ローザ:「このままだと、桜華さんがジャーム化するかもしれないの」

陽介(GM):「…………は?」

ローザ:「今朝、とある“敵”から、桜華さんの心――絆を奪ったって犯行声明があったんだ。

 よーすけさんも、さっきの桜華さんの言葉に違和感を覚えたよね」

陽介(GM):「お、おう……なんでか俺のこと名字で呼んでたからな。まさか、それも?」

ローザ:「おそらくは。UGNとしての私のことも覚えてないみたいだし、なにより――」

陽介(GM):「……なにより?」

ローザ:「桜華さんがUGNでやってきたこと、成し遂げたこととか。桜華さんの悩みについても、覚えてないみたい」

GM:はい、それでは、ここで情報を公開しましょう。本当は判定してもらう予定だったけど、中の人もローザも完全に気づいているようなので省略します(笑)


●情報「桜華昭人について」

・どうやら、レネゲイドに関係する記憶がすっぽりと抜け落ちているようだ。

・あの様子では、君のこともクラスメイトの「茨木青菜」としか認識していないだろう。

・まるで「心を盗まれた」かのよう。怪盗ジョーカーのカードと無関係とは思えない。

・宣言することで、快人に連絡を取り、問い詰めるイベントが発生します。


陽介(GM):「……昭人の悩み? いや待ってくれ、本当にレネゲイドのこと全部、忘れちまったってのか!?」

ローザ:「うん、間違いないと思う。レネゲイド事件で関わったみんなとの絆が、白紙に戻されてるんだ」

陽介(GM):「……なるほどな。それで“花菱くん”か、なんてこった」

ローザ:「その上で、よーすけさんに頼みたいことがあるんだ。

 思い当たるレネゲイド関係の人に連絡をとりつつ、桜華さんと、何か楽しいことをしてほしい」

陽介(GM):「楽しいこと……いや待て、なんだってこんな一大事にそんな」

ローザ:「絆が必要だからだよ。そうしないと、桜華さんが桜華さんじゃなくなっちゃう」


 現在、昭人はロイスを全て失った状態にある。それはすなわち、“バックトラック(BT)に成功出来ない”ということに他ならない。そしてBTに失敗したオーヴァードを待ち受ける結末は……ジャーム化だ。


陽介(GM):「――そうか、わかった。とりあえず、俺の知ってる面子に声かけとく。

 ……なあ、青菜さんはどうするんだ? その“敵”ってやつと戦うのか?」

ローザ:「私は私で、できるだけ桜華さんを守る。まずは、その“敵”とコンタクトを取ってみるよ」

陽介(GM):「何か手伝えるなら遠慮なく言ってくれよな。力になる。俺たちで昭人を助けようぜ」

ローザ:「……うん」

 話が終わってよーすけさんと別れた後で、ローザは物思いに耽るよ!

(桜華さんがジャーム化しないために必要なのは、絆。でも、桜華さんが苦しむ記憶はどうすればいい? それを取り戻すことが、本当に桜華さんを守ることに、なるのかな……)

GM:OK! では次のシーンに行こう。快人にコンタクトを取るかい?

ローザ:うんー!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る