第6話:メインプレイ:エンディング1

GM:では共通エンディング1、戦闘直後のシーン。二人とも登場で。

 さて、君たちは激闘の末、ローザシャドウとルフスデジスタを打ち倒すことに成功した。その直後のシーンからだ。

 君たちに敗れたローザシャドウとルフスデジスタは、身体が徐々に塵となって消え始めている。このままなら双方、やがて消滅するだろう。

ローザ:「……バカだな、私。私を倒しても、やっぱりどこかで、私の言ってること……間違ってないって思っちゃってる」

ローザシャドウ(GM):「……当然じゃない。私はあなた、なんだもの……」

ローザ:「今ならわかるよ。確かに、あなたは私だった。これからも、きっとそこは変わらない。

 でもその代わり、今の私(あなた)のままでもない。ずっと、少しずつ。変わっていくんだと思う」

ローザシャドウ(GM):「……無駄な希望は、自分を傷つけるだけ……それでも、抗うというの……?」

ローザ:「信じてくれてるから」

昭人:「…………」

ローザ:「みんなが信じてくれてる間だけでも、もうちょっと頑張ってみるよ」

ローザシャドウ(GM):「やっぱり、あなたは間違ってる……希望なんて、私が持っちゃいけないんだ……」

昭人:「なんで、そう思うの? 自分は“許されないから”とか思ってる?」

ローザシャドウ(GM):「疑問、否定、嫌悪、絶望、殺意……私にはそれしかない。そんな私が、希望なんて――」

昭人:「別に俺は、誰が希望を持ったって悪くないと思うよ。

 希望が欲しいのか、いらないのか。俺は……君が希望を欲しがってるようにも聞こえてたよ」

ローザシャドウ(GM):「希望……そんなもの、反吐が出る。

 反吐が出るくらい……綺麗で……遠い……夢……」

昭人:「もし“私なんかが”って思うなら、俺は君にこう言う。

 どんな人だって、希望を、夢を持つのは自由じゃないか。俺は、君が希望を持つことを否定しない。許すよ。

 君だって、希望を持ったっていいんだ。よかったんだ……ローザさんみたいに」

ローザシャドウ(GM):「ああ……どうして、私は赤く咲いてしまったんだろう。

 青ければ。青く咲ければ、それだけで……私は……」

 振り絞るように呟くローザシャドウの頬に、一筋の涙が伝う。

昭人:「……これはローザさんにも言ったことだけど……。

 赤も、悪くないと思うよ。綺麗で、情熱的な“赤”……とても綺麗だと思うよ。君もね」

ローザ:「桜華さん……」

ローザシャドウ(GM):「……桜華くんの、そういうところ。本当に、本当に――」

 そこで、言葉は途切れる。

GM:塵となって、ローザシャドウは消滅していく。それはまるで、花びらが枯れ落ちるような。そんな印象を、君たちへと残したのだった……。

 と、ここで城全体が激しく鳴動し始める。

 具体的には、エネミーエフェクト《キングダム》で城を生み出した千枝シャドウが消えた影響で、城全体が崩壊しようとしているぞ。

昭人:「さて、急がないとね。里村さんと一緒に離脱しなきゃ」

ローザ:「青葉さん、最短ルートの算出、お願いするよ」

揚羽(GM):「了解……帰路はナビします。急いで脱出を」

クマ(GM):「走るクマー!」

GM:そうして脱出する君たちが最後に目にしたのは、崩落する瓦礫の向こうに消え行く、ローザの影の、最後の残滓であった。

 君たちは改めて千枝を救い出し、千枝シャドウの心の壁が生み出した城から、そしてエニグマからも脱出を果たした。

 といったところで、一度シーンを閉じましょうかね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る