第4話:メインプレイ:エンディング1

GM:ではエンディングといこうか。

 まずは、クライマックス戦闘直後のシーンから。

昭人&ローザ:はーい!

GM:君たちは怪盗ジョーカーと協力し、ジャーム「心の破壊者」の討伐に成功した。これ以上、精神喪失の被害者が増えることはなくなるだろう。

怪盗ジョーカー(GM):「……終わったな。君たちのおかげで、巨悪を倒すことができた。感謝する」

ローザ:俯いたまま、微かに頷く。

昭人:「感謝するのはこっちもさ。ありがとう、助けてくれて」

怪盗ジョーカー(GM):「俺は、自分の信じる行ないをしただけさ。疑ってすまなかったな。協力できて嬉しいよ」

昭人:「それもお互い様だよ。こっちも疑ってたしね」

ローザ:俯いたまま、一度大きく息を吸って、顔を上げるよ。

昭人:「……ローザさん?」

ローザ:「……ちょっとだけ、桜華さんとジョーカーさんが言ってた意味を、理解したっス」

怪盗ジョーカー(GM):「ほう……ならば、聞かせてもらおうか」

ローザ:「前に桜華さんが、シュバルトリリスを私の力って言った時……本当は、ちょっと違和感あったっス。

 私は、自分の力って、はっきりと認識してなかったみたいっス。どこか他人事な……いや、他人だったらって」

昭人:「…………」

怪盗ジョーカー(GM):「……やはり、な」

ローザ:「さっき、シュバルトリリスが私を庇って、傷を負った時。自分のことみたいに痛かったっス。

 そしたら、「ああ、コイツも私なんだな」って。思わされたっス……」

昭人:「少しは、認められそう?」

ローザ:「……それは、まだ。ただ……」

怪盗ジョーカー(GM):「……ただ?」

ローザ:「もうちょっとだけ、シュバルトリリスのこと、ちゃんと見てあげようかなって。そんな気分かな」

昭人:「そっか……なんだろう、自分のことのように嬉しいよ」

ローザ:(きょとん、とした後に)「あはは、ありがと……っス」(少し照れながら)

怪盗ジョーカー(GM):「己から目を背けるものに、可能性は微笑まない。一歩、踏み出せたようで何よりだ」

ローザ:「可能性っスか……そうっスね」 微笑

昭人:「そうだ。ジョーカーはさ、これからどうするの? ここを去る?」

怪盗ジョーカー(GM):「そうだな。目的は達した。怪盗が長居しても、いい迷惑だろう。

 だが、まずは。今度は俺が、約束を果たす番だ。

 ローザ・アズール、俺やお前が持つ力の、その真髄を見せてやる」

ローザ:「真髄……?」

昭人:「一体、何を……?」

怪盗ジョーカー(GM):「アルセーヌ! 稀代の義賊たるお前の力、今ここに示せ――!」

アルセーヌ(GM):「よかろう、我が魂の契約者よ! ここに、我が反逆の矜持を示さん――!」

GM:怪盗ジョーカーはアルセーヌを召喚し、ここでもう1つのDロイス「無疵なる石(ハートレスクリスタル)」の効果を宣言する。

 シーン(選択)でブルーフロント全域を指定し、ロイスを復活させるぞ。

 この効果によって、心の破壊者に消去された被害者のロイスが復活。彼らは自我を取り戻すことに成功する。


 厳密には、「無疵なる石」はタイタスをロイスに戻す効果を持つDロイスである。今回はGM裁定として、消去されたロイスそのものを復活させる、としている。


怪盗ジョーカー(GM):「義賊アルセーヌ……奪うだけではない、与えることもまた、我が力の一部ということだ。

 これでいい。朝、目覚める頃には、被害者も心を取り戻していることだろう。

 これが俺の……心を盗む怪盗のカラクリというわけさ」

ローザ:「なるほど、恐れ入るっス」

怪盗ジョーカー(GM):「何を感心している、ローザ? お前にも、己の真髄たる力は必ず眠っているのだぞ」

ローザ:「私の、真髄……」

怪盗ジョーカー(GM):「逃げるな、向き合え。可能性を自ら否定するな。そうすれば、お前の影は必ず応えてくれる」

ローザ:(目を閉じて噛み締めた後)「……よく、覚えておくっス」

怪盗ジョーカー(GM):「協力の礼だ。先達のお節介とでも思っておけ。さて、これで本当に、俺の仕事は終わったな」

ローザ:「ジョーカーさん。次の行く宛がなければ、ここを訪ねてほしいっス」 メモを手渡す

怪盗ジョーカー(GM):「これは……どういうつもりだ?」

ローザ:「UGN日本支部の住所っス。UGNは、いつでもジョーカーさんを歓迎するっス」

怪盗ジョーカー(GM):「……悪いが、俺は組織に所属する気はない」

昭人:「気の向くまま、自分の行く道のままって感じかな……うん、それが似合ってると思う」

怪盗ジョーカー(GM):「怪盗は己の信念のみを共に、暗闇を駆ける。それが俺の信じる生き方だ。すまないな」

ローザ:「わかったっス。ああ、メモは渡しとくっス。困ったことがあれば相談に来てほしいっス……もちろん、私たちのとこでも構わないっスよ?」

怪盗ジョーカー(GM):「わかった。共闘の記念として頂戴しておこう。では、俺はそろそろ消えるとしよう」

昭人:「ん、それじゃあね。また」

ローザ:「またっス。いい話が聞けて良かったっスよ」

怪盗ジョーカー(GM):「共に戦えて光栄だったよ、UGNの諸君。ではさらばだ! フハハハハハ!」

GM:素早く身を翻した怪盗は、アルセーヌと共に、夜の帳へと溶けていった……。

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