第3話:メインプレイ:エンディング2

GM:ローザ、霧谷さんと話したいんだっけ。

ローザ:いつもの報告したいなーって。

GM:OK。では、いつもの端末の前。君は霧谷さんに諸々の報告を入れているところだ。

霧谷(GM):「FHセルの討伐。今回もおつかれさまでした、ローザさん。

 ポイズンウェイバーが言っていた、FHの覇権争い。思った以上に厳しいことになっているのかもしれません。充分に注意してください」

ローザ:「そうっスね。思った以上に、群雄割拠の勢力図が描かれてるのかもしれないっス」

霧谷(GM):「くれぐれも無理をせず……と言っても、今はあまり心配なさそうですね。

 前回の報告より、顔色が明るく感じられます。何かいいことでも?」

ローザ:「……例の、イリーガルのおかげっス。

 その、話して、軽くなったっていうか……そんな感じっス」

霧谷(GM):「そうでしたか。話せる相手というのは、いつだって貴重な存在ですからね。良い傾向で……あ、いえ、何でもありません」

ローザ:「FHとの戦闘後に現れたシャドウジャームについては、警戒が必要だと進言するっス」

霧谷(GM):「明確に敵対してきている以上、今後も注意が必要でしょうね。

 ……ローザさんは、そのシャドウのことを、どう感じましたか?」

ローザ:「……想定はしていたっスけど、実際に目の前にするのは、やっぱり堪えるっス。

 何ていうか……私のことを、なんでも知っている……そんな雰囲気を感じたっス」

霧谷(GM):「そうですか……そうだ、話は変わりますが。

 元エリクサーセルの面々、学園島で元気にやっているようですよ。時折、元気が過ぎるようですが(苦笑)

 ですが、最近は年相応の笑顔を見せることもあるそうです」

ローザ:「いい傾向っスね。やっぱり、学生は学生らしくしてるのが、一番っス」

霧谷(GM):「あなたが彼らを殺さず、許した結果です。これは私の持論ですが、許すということは、人にとって大切なことであると思うのです」

ローザ:「許す……っスか」

(ついこの間、シュバルトリリスとそういうこと話したっスね)

霧谷(GM):「人を許す。自分を許す。言葉では簡単なのに、どうしてこうも難しいのでしょうね……」

ローザ:「人を許すのは、やってやれないことじゃないっス。自分は……自分だけは。自分だからこそ、許しがたいっス」

霧谷(GM):「……ローザさんは、自分のコードネームの由来を知っていますか?」

ローザ:「夜天(プロプリア)っスか。闇の帳をイメージして、って聞いてるっス」

霧谷(GM):「プロプリア……“自分自身”という意味の言葉だそうです。僭越ながら、私が付けた名なのですが」

ローザ:「自分自身……どうして、私にその名前を……?」

霧谷(GM):「理由は……ご自身で考えてみて下さい。なんでも答えを教えるのは良くないと、前に妹に怒られまして。

 では、そろそろ失礼します。今後の武運を祈っていますね」

ローザ:「……失礼しますっス」

GM:通信の後、霧谷さんは席を立ち、医務室へと向かって行った……少しだけ、嬉しそうな顔をしながら。

ローザ:通信の後、一人、立ち尽くすように考えていた。

「自分自身……何に対しての言葉なんだろう」

 ふと、心に残った言葉がある。

「自分の、力……」

 桜華さんに言われた、当然の、けれど認めたくない事実。

「認めたくない……許せない……。

 はは、わがままだなぁ、私……」

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