第1話:メインプレイ:ミドル4-1


GM:では次のミドルシーン。シーンプレイヤーはローザだ。

 昭人は途中で目覚めてもらうので、もうちょっと待っててな。

ローザ:シーンイン! (コロコロ)4点上昇!


GM:もう80%超えかぁ(白目)

昭人:ミドル序盤で80%超え……ガクブル。

ローザ:もう、ゴールしてもいいよね……?

昭人:まだ早いです(笑)

GM:第1話でジャーム化は勘弁な? まじで。


GM:さて、不可思議な反転世界からの脱出を果たした君たち。

 現状に理解が追いつかないながらも、ローザはUGNの拠点である小さめのビルへと到着する。

 掲げられた看板には、ウルトラ外道ネットワーク……ではなく、「ウルトラ・グローバル・ネットワーク(UGN)」と書かれているね。

 表向きは、ネットワーク関連の企業を装ったビルのようだ。以降、この拠点の呼称をUGNビルで統一しようかと思います。

 UGNビルに到着したローザのところへ、一匹の青い蝶が飛んでくる。

揚羽(GM):「やっと見つけましたよー。大遅刻です」

GM:イージーエフェクト《シークレットトーク》による呼びかけです。

 ローザは、この蝶がオルクスのエフェクト《ハンドリング》によるものだとわかるね。

ローザ:「違うっスよ! 私のせいじゃないっス!」

揚羽(GM):「……で? どうしたんですか一体……っと、自己紹介が先か。

 ウチ、ローザさんのバックアップです。初めまして」

ローザ:「ローザ・アズールっス。今回スパイ任務を受けたエージェントっス! 初めましてっス!」

揚羽(GM):「ウチは味方だからいいですけど、あんまりスパイって公言しない方がいいんじゃ?

 ところで、そっちの人(昭人)は知らない顔ですね」

ローザ:「は、そうだったっス。この人は新しく“こっち側”に来た新人さんっス。さっき一緒にジャームを倒してきたっスよ」

揚羽(GM):「は? ジャーム? こっちでは何も情報掴んでませんけど……どこで出くわしたんです?」

ローザ:「ショーウィンドウの中で出くわしたっス」

揚羽(GM):「まさか、潜ってきたんです? 鏡面の中に?」

GM:と、蝶の主は、やけに物分りの良い様子ですね。


ローザ:まったく気付かず違和感も感じてない!

GM:気づかんのかい(笑)


揚羽(GM):「あーそっかぁ、エニグマの中かぁ」

ローザ:「エニグマっていうんスか? あの反転した場所」

揚羽(GM):「説明は後回しです。とりま今、開けるんで。上がってどうぞー」

ローザ:「お邪魔しますっス」

GM:UGNビルの内部は、外見と比べて不自然に広く、バロールのエフェクトで空間が拡張されているね。

 その内の一室のドアが開き、君たちを迎え入れる。中では、眼鏡をかけた細身の少女(イメージ:ペルソナ5の佐倉双葉)が、君たちの様子をじーっと覗き込んでいるね。

揚羽(GM):「UGNブルーフロント支部へようこそです。気絶してる人はソファにでも転がして、適当に座っといて下さい。

 緑茶と紅茶とコーヒー、どれがいいです?」

ローザ:「冷たい水があると嬉しいっス。それで、少女さんの名前を聞いてもいいっスか?」

揚羽(GM):「ウチは青葉揚羽(あおばあげは)……コードネームは“青の蝶(ユリシース)”。

 UGNの情報部隊アデプタスの一員、いわゆるハッカーです。今回はローザさんのバックアップを命じられてますね。ぼちぼちよろです。

  バックアップはもう一人いますけど、今は外の仕事に出てるとこですね」

GM:あ、終始ダウナーですが、不機嫌なわけではありません。単純にこういう子なんです。

揚羽(GM):「んじゃ次、改めてローザさんのことを教えてもらえます?」

ローザ:「ローザ・アズールっス。コードネームは“夜天(プロプリア)”っス。UGN日本支部から送られてきたスパ……スパインダイブが得意なエージェントっス。よろしくっス」


GM:スパインダイブってなんだ(困惑)

ローザ:FF14の竜騎士の技ッス。ワザマエッス。

GM:いや知らんがな(笑)


揚羽(GM):「で、この人は……エニグマに引き込まれた一般人ですか。

 ああ、エニグマっていうのは――」

GM:という辺りで、お待たせ昭人。目を覚ましてシーンに登場しておくれ。

昭人:シーンイン! (コロコロ)3点上昇! やっすぅい!


GM:侵食率の差が激しいな。ローザがGMの想定を上回っている(笑)

ローザ:80%は想定内だよね?

GM:いや想定外ですから(笑)


昭人:「……ん……あれ、ここは?」 ここで目を覚ます。

揚羽(GM):「目ぇ覚めましたー? とりまお茶でも飲んでくつろいで下さい。緑茶と紅茶とコーヒーと水、どれがいいです?」

ローザ:「あ、目が覚めたっスか。お水、そこそこ美味しいっスよ?」

昭人:「……ありがとう。じゃあ、コーヒーで」

GM:イージーエフェクト《テレキネシス》でコーヒーが運ばれてきますね。

昭人:「ん、ありがとう」 ズズッとすすりつつ。

 あ、カップが浮いてたりするのには驚かないです。今まで過ごしてきた日常の中にいるかのように、あっけらかんとしてます。

ローザ:「学生さん、ずいぶん落ち着いてるっス」

昭人:「いやぁ、うん、聞きたいことはあるにはあるんだけど。

 きっとこういうのが、君たちの“当たり前”なんでしょ?」

ローザ:「…………」

揚羽(GM):「……へぇ。ローザさん、面白い人を連れてきましたね」

ローザ:「私もびっくりっス」

昭人:「そういう風に考えたら落ち着いてきてさ」

揚羽(GM):「はぁ……とりあえずレネゲイドについて一通り説明してやりますか。ローザさん、任せますね」

ローザ:「任されたっス。ちょっと気合入れて説明するっスよ!

 レネゲイド、菌。超人。隠してる。悪用、ダメ絶対。以上っス!」


昭人:雑(笑)

GM:なんと雑な(笑)


ローザ:「いやー、我ながら素晴らしい説明っス! これならわからないことなんてあんまりないっス!」

GM:えぇ……では、ローザの気合のこもった説明によって、昭人はおおよそのレネゲイドの事情を理解できた……ということにしておこう(笑)

昭人:「そっか、わかったよ。それで、俺はこれからどうすればいいの?

 力を貸せばいいのかな? それとも見て見ぬふりをすればいいの?」

ローザ:「道は3つっスよ。ジャーム化に怯えて暮らすか、力を悪用して私たちに殺されるか、私達と協力して戦うかっス。

 なんにせよ、今までと同じ“日常”には戻れないっス」

昭人:「……なるほどね」

ローザ:「で、それを決めるのは私達じゃなくて、えっと、名前、聞いてなかったッス」

昭人:「ああ、ごめん。自己紹介がまだだったね。

 俺の名前は桜華昭人。今日、ここに引っ越してきたんだ。どうかよろしく」

揚羽(GM):「青葉揚羽。どもよろしく」

ローザ:「引っ越して早々、不運だったっスね。私はローザ・アズールっス。

スパ……スパシーバ?」


GM:なぜロシア語(笑)


昭人:「うん、ローザさんに揚羽さんだね。よろしく」

揚羽(GM):「よろしくでもないですけどね……悪いこと言わないんで、そのまま日常に帰っておくのがいいですよ。

 この力も、使わなければ侵食は最低限で抑えられますから。バケモノにはなりたくないっしょ?」

昭人:「そうだね、たしかにバケモノにはなりたくないかな」

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