第8話 魔王登場

まだ扉の文字の余韻が残ったまま2人は魔王バルトラの部屋へと入っていった

目の前には1人の少女が座っている

バルトらに捕えられたのだろうか、勇者リアは柄にもなく声をかける

リア「お嬢ちゃん、大丈夫か?バルトラに捕まってたのか?」

少女はリアを睨むと言い放った

少女「失礼なことを言うな!私こそが魔王バルトラだっ!」

驚いたことに少女がバルトラ本人だったのだ

だが勇者と魔法使いは信じない、と言うか信じられなかった

リア「いやいや、冗談だろ?こんな可愛らしい女の子が魔王だなんて…ある訳ないよな?」

サク「だよなぁ…長い間捕まってたせいで頭がちょっとおかしくなったのかもな…」

バルトラ「だ、か、ら!私がバルトラだ!何も間違ってないし冗談でもない!ましてや頭がおかしくなった訳でもない!」

リア「いやいや、じゃあお嬢ちゃんがあのメドゥーサを従えてたって言うのか?」

バルトラ「あれは私のママだ!なにか悪いか!」

サク「ママって…」

リア×サク「はっはははは!」

2人は扉の文字を見た時のように顔を見合わせて大笑いした

バルトラ「なっ、何がおかしい!私がメドゥーサの子でなにか悪いか!」

リア「い、いや、だってママって」

笑いながら馬鹿にしたように言う

バルトラ「そうだ!ママは強いんだぞ!」

サク「お、おま、ママって、どこの幼稚園児だよ」

こちらもまた馬鹿にしたように笑う

バルトラ「んなぁっ!?誰が幼稚園児だこの馬鹿共が!」

言い返すも2人の笑いは止まらない

それも仕方ない、2人は扉の文字だけでも大笑いしていたのだから

バルトラ「き、貴様ら!いい加減にしないとこの私がお前らを潰すぞ!」

必死に言い返すもそんな力は馬鹿にしたようににはない

なにせモブにも負ける程だ、勇者が本気を出さずとも呼吸をするよりも簡単に倒されてしまうだろう

リア「お嬢ちゃんにそんなこと出来んのかよ」

また馬鹿にしたように笑う

母親がメドゥーサであることも忘れて、だ

バルトラ「あ、あんまり笑うとママに言いつけるぞっ!」

サク「だからどこの幼稚園児だって」

また馬鹿にする、相手が最弱であれど魔王であることを忘れて

バルトラ「わ、私だって弱っちくてもいっぱしの魔王なんだから!」

リア「あ、弱いのは認めるんだな」

バルトラ「し、仕方ないだろ!ほんとの事なんだから…」

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