スティルアライブ
@honganji-sian
第1話 おはよう
白い部屋のなか
彼は、目を覚ました。
まるで、起きる事が当然のように
その部屋は、白いものに統一され生活基盤が形成されていたように見える
「おはよう」
机の上にそう書き留められた手紙を見つける
・・・・・
たぶん、今は2158年の7月。君が起きる時だ。
この部屋の中には7日分の食料と電気の予備を用意した
水は自由に使ってもらっていい
7日間は君が人間として元に戻る為の時間なので
好きなように過ごしてもらっていい。
とりあえず、簡単な絵本と小説くらいはおいておくから
読んでみたらいい
・・・・・
本という引き出しを引くと30冊ほどのサイズの違った本が現れる
一番大きい本を取り出すと赤と白の服の男を探すというものだった。
ぱらぱらとめくっていると小さな紙が落ちる。
目を向けると
「冷蔵庫のモノをチンして食べるんだぞ」
あぁそうだった。彼は少し照れくさそうに冷蔵庫に手をかけ、
「チキン南蛮弁当」と書かれたそれをレンジに入れた。
目盛りの一か所に「チン」と書かれていた
これを合わせるのかとダイヤルを回す
ぶーんと「チキン南蛮弁当」が回りだした。
「ちーん」
彼は食べた。袋を開け、箸を取り出し、米と肉のバランスを口の中で楽しみつつ・・・
ふと、思う。なぜ読めた?なぜ食べれた?いや、アレが食べ物と認識できたのだ?
俺は誰なんだ?何を求めらている?
わからない・わからない・わからない
彼は、地球を救う為に投下された兵士である。
型式は「試験体23号」
彼はそれすら知らない
彼は7日を白い部屋で過ごした。
簡単な本と簡単な食料と風呂とトイレのある部屋で。
そうだ、手紙に書かれた通りに外に出てみようかと
ドアノブに手にかけた目線の先に
「水は自由に使っていいって書いておいたのに、、忘れてないかい?」
彼は照れくさそうに水筒に水を汲んでまとめたバックに入れ
大きな鉄の扉を開けた。
見渡す世界は砂嵐。ビルが倒壊し朽ちている。
あまりの世界の広さに足を進めて見渡した
扉がしまる大きな音に気付き振り向くと
ドアノブがない。
彼はもう、進むしかないのだ
彼がまとめたバックの中にあるものは、、、
水が汲まれている水筒3つのみである。
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