もしきみが、ぼくのともだちだったなら、

仄ら

第1話

もしきみが、ぼくのともだちだったなら、どうしただろうね。僕は森の公園でどんぐりを拾ってくるかもね。細長いやつじゃなくて丸いやつをさ。ナイフをうまく使って、どんぐりをくり抜いてジャック・オ・ランタンを作ってきみにあげよう。友情の証にね。暦は10月、公園の高台には三本のおおきな金木犀の、夕方の中でオレンジ色に光る花が咲いている。きみといっしょに見に行ってもいいな。どこかでカプチーノでも買ってね。あぁでも、きみはシナモンが苦手かもしれないし、金木犀は芳香剤みたいで好きじゃないというかもしれない。それに落ちてたどんぐりなんて触りたくもないし、なによりどんぐりを細工するような子供っぽい人とはともだちにはなりたくないっていうだろう。もしかしたらきみはそういうひとかもしれない。だからぼくはいつもカラスみたいに、きみがくるとパッと飛び去って逃げるようにしてるんだよ。

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もしきみが、ぼくのともだちだったなら、 仄ら @honola

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