もしきみが、ぼくのともだちだったなら、
仄ら
第1話
もしきみが、ぼくのともだちだったなら、どうしただろうね。僕は森の公園でどんぐりを拾ってくるかもね。細長いやつじゃなくて丸いやつをさ。ナイフをうまく使って、どんぐりをくり抜いてジャック・オ・ランタンを作ってきみにあげよう。友情の証にね。暦は10月、公園の高台には三本のおおきな金木犀の、夕方の中でオレンジ色に光る花が咲いている。きみといっしょに見に行ってもいいな。どこかでカプチーノでも買ってね。あぁでも、きみはシナモンが苦手かもしれないし、金木犀は芳香剤みたいで好きじゃないというかもしれない。それに落ちてたどんぐりなんて触りたくもないし、なによりどんぐりを細工するような子供っぽい人とはともだちにはなりたくないっていうだろう。もしかしたらきみはそういうひとかもしれない。だからぼくはいつもカラスみたいに、きみがくるとパッと飛び去って逃げるようにしてるんだよ。
もしきみが、ぼくのともだちだったなら、 仄ら @honola
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます