第42話 恋のライバル? (12)
(本文)
まあ、こんな様子の主神オーディンなのだが、一体何をオッタルにさせるつもりなのだろうか?
ふと気になる所ではあるけれど。等の本人であるオッタルは、愛するフレイヤの事で、もうそれどころではないようですね。
だってまさにその容姿は、暴れん坊イノシシ──先程から真っ赤な顔して『ブヒブヒ』と、鼻息を立てているからだ。
まあ、真っ赤な顔とは言って表現をしてはみたけれど。実際はね、あのイノシシ色したお顔は、赤色していても分からないとは思うのだよ。
だからオッタルからの様子から見て分かる、鼻息の荒々しい素振りから、そう判断したのだ。
……でも、まあ、そんな事はどうでもいい事なのでそろそろ話を戻す事にしようと思う。
「それでな、今お主の探しているフレイヤは、東は東の果てにある日本という国の中にある街にいるようじゃ」
「えっ? そうなのですか?」
「うむ、確かに間違えないようじゃの」
「そ、そうですか、フレイヤさまは日本という国にいるのですか……」
(な、何故日本なんかにフレイヤさまは? 大体今までも地上で遊んでいる時は、西の諸国で遊んでいるだけだったのに…… )
ふと、そんな事を思いながらオッタルは、主神オーディンが次に口を開くのを待っていた。
「ああ、そのようじゃな、今までは魔力を極力控えていたり、気も殺していたのであろう? ここ何世紀かは、フレイヤ本人の確認すら取れなんだのだがな……」
「はぁ、そうですね、僕も全く持って確認が取れず、西側の国々を探していましたから」
「そうか、そうか、それは大変だったな。儂も手の者に探索を命じていたのは西側諸国のみだったから、全く持って確認が取れなんだは……まさか東の国、それも日本にいるとは、思いもしなかったからな……」
「えっ? 主神さまも探していたのですか、フレイヤさまを?」
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