第35話 恋のライバル? (5)

(本文)


 だって……先程も述べたけど、この辺りの商店街……。


 もう先程までの賑やかで、人の流れが沢山行き交う光景の面影は、全くといってない……。


 俺達が行った行為で、辺り一面は、瓦礫の山があるのみだから。本当に俺は後悔しているよ。


「どうしたのですか、貴方?」


「……い、いや、どうしよう? 俺大変な事をしてしまった……マジでこの惨事どうしたらいいかな? それにさぁ、フレイヤは女神さまなのに。俺がこんな事をしたから迷惑をかけるんじゃないかな? もしもそうなら、本当にごめんね……」


 俺シュンとしてね、奥さまを見つめ謝罪したの。本当に悪いと思うから。それにもしかしたら、これから先、と、いうか、もう既に俺の事で。女神の奥さまに大変に迷惑を掛けるかも知れないからね。


「いいえ……別に気にしなくてもいいですよ。わたくしは貴方の妻ですから、最後まで寄り添いますよ……」


 でもね、うちの奥さま、首を振りながら優しく答えてくれた。最後まで俺に寄り添い一緒にいてくれると。

 それも笑顔でね……。


 俺本当に有り難いと思ったよ。マジで嬉しくて幸せだと感じた。


 だからフレイヤを抱え、お姫様抱っこをしたよ。


 その後は奥さまに頬を摺り寄せて、思いっきり甘えた──この女性は俺の物だ! だから誰にも二度と渡さないし、触れる事も許さないよ!


 俺に何があろうと、必ずフレイヤだけは守るのだと心に強く強く誓う……。

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