第5話 序章(5)

(本文)


 だってね、彼女の容姿が大変に凄いから。


 ポキン──と、なるのポキン──と、あんな感じで強く抱き付かれてしまうとね。


 本当に年頃で十八歳の俺だから、直ぐにバリバリと元気にはなるし、困ったものだよ。


 その上彼女は、大変に妖艶でね。お色気の方もムンムンで良い香りもするから。

 俺の脳も本当にとろけてしまう……。


 まあ、こんな感じの俺だから訳だから、理性の方は、もう爆発寸前なのだ──。


 先程からさぁ、何度も理性を保とうとは、努力はするけれど。俺自身は、かなり厳しい状態なのです。


 だから彼女には、離れて欲しい……。


 でもね、彼女は、そんな我慢している俺の様子を見透かしているかのように。中々ね、離れてくれないの。

 それどころか、妖艶な微笑を浮かべて、更に抱き付いてくる──そして俺の顔を見てね、様子を楽しんでいるんだ。


 何か俺の反応を妙に面白がっているみたい?


 だって彼女、妙に先程から俺の証にも触れるように甘えてくるの。


 本当に俺、このままでは不味い……。


 そう思ったよ、俺自身。本当にこのままだと、収まりが付かなくなる。


 それにさぁ、彼女が着てる服──これも絶対に遺憾!


 だって薄いピンク色で、桜色みたいな感じ。よくあるさぁ、ロールプレイングゲーム等に出て来る。魔法職のヒロイン達が着衣しているような、露出の多い服装なのだ。


 だから、上から下を覗くと──彼女のたゆんたゆんの谷間……それが丸見えなんだよ。


 だから、ハアハアな俺は、食欲心も注がれるし、彼女をつまみ食いしたくなるのだ。


 それにさぁ、彼女、俺を誘っているの?と、思ってしまうぐらい。陰部の辺りに妙に触れて甘えてくるの。

 だから俺は、恥ずかしいけれど。思わず声まで漏れしまいそう……。


 そんな訳だからね、どうしたら良いかと、悩んでしまう?


 でも俺の心の中の、理性って奴が『落ち着け! 落ち着け!』と、囁いてくるのだ。


 この女には手を出すなと!


 絶対に不味い事に、巻き込まれてしまう。


 だから後々後悔するぞと!


 俺の中の天使が囁くのだ……。


 だからさぁ、俺耐えたよ!


 そして彼女に問い掛けてみた。理性を保ちつつ、生唾を呑みながらだけど。


「あ、あのさぁ、俺と君。夫婦ってどういう事かな? 俺まだ結婚などした事もないし、まだまだ、俺自身、独身な訳だけど? それに年齢の方も、まだまだ十八歳なんだけれども……」


 俺彼女にそう言ったのよ。だってまだまだガキの俺だし。結婚などした事など無い訳だから。


「だ、旦那さま。じ、じゅ、十八歳ですか? 」

「ああ、そうだよ」

「今の旦那さまは、とてもお若いのですね?」

「うん、そうだけど、どうかした?」


「 いやいや、何でも御座いませんよ? そ、そうですか、まだまだ旦那さまは、お子様だったのですか? 」


「ん? 今最後に、俺のことをお子様っていった……?」


「いえいえ、滅相もない……そんな事など申し上げていませんよ……『あっ、本当にどうしましょ? わたくし旦那さまが、こんなにもピチピチだったとは思いませんでした。わたくしもうハアハア……で、ヨダレまで垂れて着そうです……』」


「そう?」

「はぁ〜い」

「だから未成年者の俺は、まだまだ結婚などしていないし。それに君と夫婦って、どういう意味なのかな? 俺全く持って解らないし、理解もできないよ?」


 何だかね、彼女、妙に嬉しそうなのだ?


 特に俺が彼女に、十八歳だと年齢説明をしたら。妙に嬉しそうなんだよなぁ~。


 それにさぁ、目付きも変わった!


 俺を見る目付きが変わったのだ──なんだかね、獲物を狙うメスライオンみたい?

 そんな感じを漂わす、目付きの女性に変わった気がするよ?


 そんな彼女の様子を見ていたら、俺背筋に悪寒迄走るし、身震いまでもしてきた。

 何だかね、自分自身を守らないといけないと、防衛本能って奴が、働きだした気がする。


 まあ、そんな様子の彼女だから、俺自身も少しばかりだけど、距離を措いておくし。


 実際先程迄、元気にしていた。俺の大事な証の方も。

 彼女に恐れおののいて『フニャ〜』と、萎れたみたい。


 だって彼女の目は未だに、獲物を狙うメスのライオンのような鋭い目付きだから。か弱い俺は、心もあそこも萎縮してしまう……。

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