感情の日記

@moto22

第1話 大切な人

「大切な人」という言葉から最初にイメージするのはなんでしょうか。


まだ幼ければお父さん、お母さんとなるでしょうし、


少し年ごろになれば恋人になるでしょうし、


結婚すれば、家族になるでしょう。


もちろんそうと決まっているわけではありませんが、


歳に応じて、「大切な人」ときいてイメージする人は変わっていくものな気がします。


どんなに仲のいい友人でも、


どんなに愛し合っていた恋人でも、


どんなに可愛がっていた娘・息子でも、


自分が相手を「大切な人」と思い、最初は相手も自分を「大切な人」と思ってくれますが、


いつか、


それは変わってしまいます


親友は新しい環境にいけば、そこで新しい友人を見つけ、


恋人は自分以外の人とまた愛し合い、


娘・息子は、自分に見向きもせず、親友、恋人、そして自分の家族へと移り変わる


すごく当たり前のことで、これを考えている自分がどれだけ構ってちゃんなのかというツッコミも入れたいところですが、


でもなんか寂しいのです。


その時々


その一瞬一瞬


お互いを大切に思っていた


けれどそれは永遠ではない


あくまでその一瞬だけ



少し話は変わりますが、


私は「四月は君の嘘」のEDに使用された「オレンジ」という曲がすごく好きです。


歌詞の中に次のような言葉があります


「いつか二人が大人になって 素敵な人にであって

かけがえのない家族を連れて この場所で逢えるといいな」


曲の後半にある歌詞です。


素敵な人、かけがえのない家族。


それは当然その人にとって、なにより「大切な人」でしょう。


けれどその「大切な人」と一緒に、あなたと、(おそらく大切な)「この場所」で逢いたい。


すごくいい歌詞だなと思いました。


少し話は変わりますが、


恋人と別れてしまって、その人と会うのが気まずくて、それからずっと連絡を取らないという話もときたま聞きます。


でもその人がその一瞬において「大切な人」であったことは事実で、


それはそれでなかったことにしなくていいんじゃないかなと思います。


この歌詞のとおり、


色々とあって別れることになったけれど、


それぞれ「大切な人」を見つけて、かつて「大切な人」だったあなたと一緒に、


大切なこの場所で出会えたら、すごく素敵なんじゃないかと思います。




大切な人は変わっていく


それは事実だけど、「大切だった」ことには変わりはない。


それで寂しさが紛らわせられるといったら嘘ですが、それはそれで仕方ないのかなと思います。




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