第三章
第三章
翩翩は、あわただしくそのマンションに引越しをした。吉原のソープは正式に退職し、そのマンションで二胡教室を始めることになった。二胡は思った以上に人気があって、生徒はすぐにやってきた。それはおそらく、彼女の容姿も関係していると思われる。
彼女は、生徒たちからもらったものをおすそ分けだと言って、杉三の家を来訪した。その日も、生徒からもらったかぼちゃを届けに、杉三の家にやってきた。
翩翩「こんにちは。これ、生徒さんからいただいたかぼちゃです。家庭菜園でとれたそうです。」
杉三「どうもありがとう!じゃあ、いただいておくよ。時間あるなら、上がって行きなよ。」
翩翩「いいんですか?」
杉三「どうぞ。いま夕飯の支度だから、一緒に食べて行ってよ。それでかぼちゃのスープを作ろうかな。」
翩翩「「まあ、それならうれしいわ。ぜひ食べていきたいです。」
杉三「じゃあ、このカボチャ、もらっておくね。」
と、翩翩からかぼちゃを受け取って台所に移動する。翩翩が食堂に入ってみると、美千恵と蘭のほか、水穂と懍もいた。
翩翩「今日は皆さんお揃いなんですね。」
懍「ええ、用事で近くまで来たものですから。」
杉三「どうぞどうぞ、家がパンクしない限り、誰でも来てくれていいですよ。じゃあ、今からかぼちゃのスープ作るね。」
美千恵「ここに座って。」
翩翩「はい、お邪魔します。」
美千恵から指示された椅子に座る翩翩。
美千恵「ねえ、翩翩さん。ちょっと相談していいかしら。」
翩翩「なんですか?」
美千恵「ええ、私が経営している老人ホームの事なんだけどね。」
翩翩「ええ。」
美千恵「実は来月に合唱団が慰問に来るはずだったんだけど、指揮の先生が用事ができてしまって、来れなくなってしまったの。その日が空白の日になってしまったので、もしよかったら、ここへきて、二胡を弾いてもらえない?」
翩翩「え、無理ですよ。教えるのはまだしも、人前で二胡を弾くのは。私は、もうビックバンドを脱退してしまったし。」
蘭「それは気にしないでいいと思いますけどね。」
翩翩「それに、私、本来は二胡という楽器を弾くべきじゃない立場なので、、、。」
蘭「いやいや、民族が違うといいますが、大体の人は中国に少数民族がいるのは知らないと思いますよ。よほど歴史に詳しい人でないとね。それに、ビックバンドが日本で活動していたのは、ほんの数年ですから、みんな忘れてますよ。そう考えればいいんじゃないですか、僕は心から応援します。」
翩翩「でも曲など何をやればいいのか、さいまとかですか?」
懍「いえ、中国の民謡は弾かないほうがいいでしょう。それよりも、西洋のよく知られた曲とか、日本の唱歌などをやったらいいんじゃないかと思います。打ち込みで伴奏を作ることもできますし。」
翩翩「私、パソコンもっていないので、打ち込みはちょっと、、、。」
懍「この機会ですから、打ち込みに挑戦してみたらどうですか?僕も試しましたが、意外にかんたんですよ。それに、大概のものはフリーソフトでできますし。ベクターとかの。」
翩翩「パソコンって高いのでは?」
懍「中古品であればそれほど高くはないようです。」
水穂「今度、みんなでパソコンショップに行ってみてもいいですよね。僕、親切なパソコン屋さんを知っていますよ。」
杉三が、かぼちゃのスープの入った器をトレーに乗せて、車いすでやってくる。
杉三「かぼちゃのスープができたよ。急いでやったから、下手になってしまったけど。」
と、一人ずつ、器を取り分ける。
懍「どうもありがとう。では、日付を決めて、皆でパソコンショップに行きますか。」
杉三「いや、その必要はないですよ。教授。」
蘭「どういうこと、杉ちゃん。」
杉三「わざわざ打ち込みで伴奏作らなくても、人間がやればそれでいいのさ。僕は電子楽器は大嫌いだからな。それよりも、本物の人間のほうが心を打つと思うよ。」
蘭「杉ちゃんが古筝を弾くの?」
杉三「いや、僕はへたくそだから、水穂さんにやってもらう。そのほうが絶対に受ける。母ちゃん、ホームにピアノあったよね?」
美千恵「ええ、ピアニストの方も慰問に来るから、グランドピアノは置いてあるけど?」
杉三「よし!その形でやろうよ!そのほうが絶対にいいよ!打ち込みなんかに頼るよりも。僕は、電子楽器なんて大嫌いだ。大昔の人は、人間の伴奏であそこまでできたんだからな。ベートーベンの交響曲だって人間がやって初めてきれいに響くものだし。エレクトーンみたいに一人で全部のパートをやったって、何にも面白くないもんね。」
蘭「でも杉ちゃん、曲はどうするんだよ。二胡って、五線譜じゃないでしょ?」
翩翩「数字譜です。」
杉三「でもさ、それを書き直すほうが楽しいと思うんだけどね。」
蘭「まあ、、、確かにそうだよね。じゃあ、二胡とピアノで何か抒情歌みたいなものか。」
杉三「いや、もっといいのがある。」
蘭「何?」
杉三「パッヘルベルのカノン!」
蘭「何を言ってるの、クラシックなんて、知らない人のほうが多いのでは?」
杉三「だからこそいいんだ。」
蘭「あのね杉ちゃん、これはリサイタルではないんだよ。こういう行事ってのは、お客さんに少し媚びるようなこともしないと、、、。」
杉三「でも、クラシックを感動的にさせるのが音楽家のすごいところだと思うけどね。」
蘭「それとこれとは違うよ。いい、こういう演奏は飽きられたら終わりなの。」
杉三「じゃあ、飽きないようにすればいい。」
蘭「飽きないようにってどうやって?」
杉三「あきないってことが、演奏がうまいっていうことなんじゃないか!そんなときに打ちこみなんか使ったら、それが半減してしまうでしょうが。」
蘭「そうじゃなくて、杉ちゃんは自分が読み書きできないから、嫌でそういうことを言っているんじゃないの?」
杉三「そんなことないよ!読み書きできなくて口惜しいと思ったことは一度もない。」
蘭「あのね。」
美千恵「いいんじゃない、蘭さん。少しばかりクラシックを取り入れても。」
蘭「でも、水穂にやらせるのはちょっと、」
水穂「僕はかまわないよ。製鉄所にピアノがあるから、そこで練習してもいいんじゃない。それに、パッヘルベルのカノンであれば、たまにテレビで流れたりしているから、どこかで聞いたことがあるくらいの感想はもらえるんじゃないかな。」
蘭「でも、お年寄りたちに嫌われてしまったら?」
杉三「嫌われないように、音楽を聞かせるのが、本当の音楽家さ!だからベートーベンの音楽はいつまでも残るが、ホップミュージックの音楽は三年も持たないの!」
水穂「杉ちゃんが言っていることが、本当の音大生のあるべき姿勢のような気がする。」
美千恵「でも、一曲だけじゃ面白くないし。」
杉三「じゃあ、抒情歌をピアノで伴奏すればいい。宵待ち草とかね。」
水穂「まあ、その通りだね。編曲は、共同でやればいいよね。僕も、二胡の数字譜はあまりよく知らないので。」
蘭「水穂、お前体大丈夫なのか?」
水穂「まあ、大丈夫とは言い切れないが、こういうときだから、手伝うよ。あんまり寝てばかりでは、体が鈍って余計に悪くなるだろうしね。」
蘭「そうか。」
杉三「じゃあ、そうしよう!パッヘルベルのカノン!」
翩翩「わかりました。私も頑張ります。」
美千恵「どうもありがとう。ところで翩翩さん。」
翩翩「はい?」
美千恵「赤ちゃんまだ動かないの?」
翩翩「ああ、まだわかりません。本人は動いてるかもしれませんが、私にはわからないです。」
美千恵「へえ、馬鹿に遅いわね。」
翩翩「遅い、ですか?」
美千恵「まあ、初めてのお産だから、遅くても仕方ないのか。でも、あんまり遅いようだったら、病院行ったほうがいいかもよ。」
杉三「なんでだい、母ちゃん。」
美千恵「うーん、ひょっとすると中毒症とかあるのかなと思って。そうなったら、怖いからさ。まあでも、私から見ると、確実に大きくなってると思うから、あまり気にしないようにするけどさ。」
杉三「そうか。でも、それは気にしすぎたら何もならないから、それよりも、明るく前向きに生きることを考えよう。それに、この演奏の依頼をしたのは母ちゃんだろ、それをつぶしてどうするの?」
美千恵「まあ、そうね。杉三に一本取られたわ。」
杉三「じゃあ、これで決定ね。で、本番はいつになるの?」
美千恵「来月の中旬かな。」
懍「じゃあ、もうすぐですね。」
水穂「急いで譜面を作らなければ。著作権の問題もあるから、なるべく昔の歌のほうがいいでしょう。」
翩翩「よろしくお願いします。私、二胡の譜面を書きますので。」
水穂「まあ、譜面は二、三日あれば作れます。すべて手描きですけど。」
杉三「そうそう。手描きが一番いいよ!パソコンなんて使ってはだめだよ。この蘭だって、機械を一切使わないで彫ってるんだからね。機械に頼ってたら、何もできないよ。」
翩翩「そうですね。杉ちゃんは、本当にすごいことを言うんですね。」
杉三「まあ、馬鹿だから、馬鹿なりの意見を述べただけだよ。」
水穂「じゃあ、僕が五線譜にバイオリンとピアノの五線譜に書いてきますので、そのバイオリンの譜を、二胡の数字譜に書き直してください。」
翩翩「わかりました。」
杉三「よし、決まった!」
演奏当日。老人ホームの音楽室。老人たちが何人か集まってくる。中には認知症が酷く、職員についていてもらって、着席している人もいる。
美千恵「じゃあ、これから演奏を始めます。それではお願いします。」
水穂が静かにパッヘルベルのカノンを弾き始める。翩翩は弓を取って、旋律を弾き始める。
真剣に聞き入る年寄りたち。だれも無駄口をする者はいない。
さらに弾き続ける二人。
認知症の年寄りが、カノンの旋律を歌いだす。驚いてしまう翩翩だったが、すぐに気を取り直して演奏を続ける。気持ちよさそうに体を動かしている年寄りもいる。
カノンが終わる。と、嵐のような拍手。
年寄り「もう一回やって!」
年寄り「もう一回!」
翩翩「ありがとうございます。次はカラタチの花です。」
水穂の前奏のあと、翩翩はカラタチの花を弾く。
年寄り「からたちの花がさいたよ。白い白い花が咲いたよ。」
職員「ほら、誠二さん、歌いだしちゃだめ。」
しかし、その年寄りはにっこりと笑って、さらに大きな声で歌い続ける。
職員「弾いている方の迷惑になるから、部屋に帰ろうか?」
美千恵「いいのよ。誠二さんは楽しいんだから、楽しませてあげて。」
職員「しかし、」
美千恵「いいのよ。今日は特別よ。」
職員「わかりました。」
誠二さんは、なおも歌い続ける。
カラタチの花が終わる。と、再び嵐のような拍手。二人は、宵待ち草と、中山晋平の砂山を弾いて、さいごにカノンをもう一度演奏し、アンコールとして故郷を全員で歌って演奏を終わる。
翩翩「ありがとうございました!」
と、深々と頭を下げる。
なおも拍手を続ける年寄りたち。
美千恵「ありがとう!寂しがり屋の誠二さんを、愉快にさせてくれて、本当に助かったわ。それは、私たち職員がいくら言っても聞かなかった。でも、音楽って不思議なものね。こうして、笑顔にさせちゃうんだから。」
翩翩「いえ、本当に私はまだ未熟で、、、。」
美千恵「いいえ、本当に素晴らしかったわよ!また慰問に来て頂戴ね!」
翩翩「はい、わかりました!」
演奏が終わり、水穂と翩翩は杉三の家に戻る。
翩翩「今日はどうもありがとうございました。水穂さんの編曲が素敵だったから、皆さんあのように、楽しそうに聞いてくれて。」
水穂「いえいえ、僕のせいじゃありませんよ。」
杉三「そうそう。翩翩さんの演奏が素晴らしかったからだよ!」
翩翩「いえ、あたしはまだまだへたくそで。弾きながら、まだ自分は劣等生だなあと本当に思いましたし。」
懍「いや、そうでなかったら、その寂しがりのおじいさんが、歌いだすことはしなかったと思います。杉三さんのほうが正しいですよ。」
杉三「僕らも聴きに行きたかったね。次はぜひ、リサイタルを!」
蘭「おいおい、せかしちゃだめだよ。まだ、赤ちゃん産んでないし、リサイタルをするのはそのあとなんじゃないの?」
美千恵「そうよ。水穂さんお体は大丈夫?」
水穂「ええ。何もありません。」
翩翩「ねえ、水穂さん。」
水穂「なんでしょう?」
翩翩「水穂さんって、周瑜さんに似てるのね。そのくらいきれいですよ。」
水穂「ああ、三国志に出てきますよね。残念ながら、彼のような名将ではありませんよ。それに、実物は果たしてどうだったんだろう。」
翩翩「私、若いときにあの書物をよく読んでいたけれど、周瑜さんが生きていたら、きっと水穂さんみたいな顔だったんだろうな。そんな気がするんです。」
水穂「まあ、伝説に出てくる人は誰でも美形と書かれていますからな。」
翩翩「本当は、、、付き合ってほしかったわ。でも、その右手じゃ無理ですよね。」
水穂「まあね。と、言うより、必然的に無理でしょうね。」
と言って、水穂は右手の薬指を見せた。左利きの水穂は、結婚指輪を右手にはめていた。
翩翩「そうよね、、、。残念だわ。好きになっちゃいけないって頭ではわかっていたけれど。」
杉三「へえ、そんなに持てるんだな。周瑜は、そうやって泣かれるほどきれいだったんだろうか。もちろん僕は、三国志なんて一度も読んだことないけれど。」
と、インターフォンが鳴る。
声「おーい杉ちゃん、また風呂かしてくれよ。」
蘭「華岡だ。またなんでこういう時に来るんだろう。」
声「上がるぞ!」
と、どんどん入ってきて、食堂にやってくる。
華岡「杉ちゃん、風呂涌いてるか?なんだ、皆さんお揃いで?何かあったのかい?」
杉三「いや、翩翩さんの話によると、水穂さんが周瑜に似ているらしいということを話していたんだ。」
華岡「なるほど!確かに、容姿端麗で頭もよく、音楽に引出ていることが似ているかもしれない。そして、何度頑張っても出世できなかったところも似ているかもしれないぞ。いや、いいニックネームを作ってもらったじゃないか。水穂、よかったな。」
蘭「華岡、それを言うならお前はジャイアンそっくりだ。」
華岡「そうか。俺はもともと強いからな。それより、風呂は沸いているか?」
杉三「残念ながら華岡さん、お風呂は掃除したばかりで、まだ満タンじゃないよ。」
華岡「じゃあいい、ここで待たせてもらう。ちょっと座らせてくれ。いやー全く、今年は暑いなあ。なんか飲ませてくれよ。」
と、空いている椅子にドカンと座る。
杉三「わかったよ。お茶でいい?」
華岡「なんでもいいよ。このうちには酒はないんだったよな。本当はやっと犯人逮捕にこぎつけそうなので、いっぱいグイッとやりたいところだが、それは家に帰ってからのお楽しみにしておく。」
杉三が、お茶を華岡の前に置くと、華岡は一気にお茶を飲む。
蘭「華岡、犯人逮捕って、また殺人事件の捜査か?」
華岡「いや、もっとすごい大事件だったよ。もうニュースで話題になっていると思うが、」
杉三「僕のうちにはテレビがないよ。」
華岡「そうか。それじゃ杉ちゃんは知らないよな。あのな、支援学校の、加藤学園って知ってるか?」
懍「知ってますよ。女優さんだった方が、経営されている、精神障害のある方が学問をする支援学校ですよね。」
華岡「そうなんだよ。で、そこの理事長であった、女優の加藤恵子がいるだろ。彼女から、
教材費として、そこの女性職員と、中国人が、加藤恵子から、学園の運営費を全部だまし取ったというのだ。」
蘭「中国人?」
華岡「そうなんだよ。なんでも中国では、有名な二胡奏者だった女性らしいぞ。名前は確か、陽藍といった。太陽の陽に、藍染の愛と書いたかな。その女性が、加藤恵子の加藤学園を慰問したことで知り合い、自身の借金を返済するために、作曲の委嘱費用とかの言いがかりで、加藤恵子から金をだまし取ったらしい。」
翩翩「その人って私知っているんです!」
水穂「どういうことですか、翩翩さん。」
翩翩「ええ。私が、日本に残ったとき、短い間でしたけど、一緒に活動したことがあったんですよ。私が、ビックバンドでいじめられていた時も、メールで相談に乗ってくれたりした女性でした。もちろん、漢民族の女性でしたけど、そんなことを感じさせない優しい女性でした、、、。」
蘭「そんなひとが、あの施設から金をだまし取ったのか。本当に女って、何をしているのかわからないところがあるからな、、、。」
華岡「そうなんだよ。その陽は、学校に通っている障碍者からは、すごく素敵な二胡の先生だと思われていたらしいぞ。」
蘭「どういう口実を使ったんだ?」
華岡「ああ、生徒たちに教える曲が、著作権料が必要なので、それを払うから、金を出せと言っていたらしい。それで受け取っていた金を、著作権協会には出さず、自分のものにしていたらしいんだ。」
蘭「著作権か。著作権料、値上げしたとか、いろいろ聞くけど、そうやって犯罪の道具にもなるんだな。それで、加藤恵子は、どうしてる?もう、かなりの年だろ?」
華岡「まあ、しぶしぶ暮らすしかないだろ。さすがにあの学校は、支持率がすごいから、
つぶれるということはないと思うが、精神障碍者への偏見はさらに強くなるだろうし。」
杉三「華岡さんやめて!」
華岡「え?」
水穂「翩翩さんしっかりして!」
蒼白になった翩翩が床に崩れ落ちた。
翩翩「大丈夫です。心配はいりません。」
と言って立ち上がろうとしたが、よろめいて後ろに尻もちをついた。
杉三「ソファーにでも寝かせてあげよう。」
華岡「貂蝉さんごめんね。」
と、彼女を持ち上げてソファーに寝かせてやる。
懍「華岡さん、今日のところは帰ってもらえますか?」
華岡「は、はい。わかりました。じゃあ帰ります!すみません、青柳教授!」
と、急いでそそくさと帰っていく。杉三は怒りの目で華岡をにらみつける。蘭は、大きなため息をつく。
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