雪が積もる季節に。
律@こと
第1話 夢
皆は知っているだろうか。
人はいくつかの塊でできているということを。
正義の塊、理性の塊、知恵の塊。
ある種の女性は男性のことを性欲の塊。と言い放つときもある
これらの塊は人間それぞれの個性だ。
それでは綴ろう、とある人の子の物語を
人との関わりなんて嫌いだ。使えると思ったらご機嫌に接してきて、使えなくなって来たら手を平をひっくり返すように蔑む視線で俺を見てくる。わかりやすい性格だ。
俺は世界に価値がないと思っていた。
もう―――いいや。
――――そうして俺は心の中で小さな箱に閉じこもり、鍵を閉めた。
「ここは・・・?」
何も音がない真っ白い小さな部屋だ
風も感じなく、場所と時間もわからず。
状況が全く掴めてはいない。
試しに大声で叫んでみる。
「おい!誰だ!俺をこんなところに閉じ込めたやつ!」
すると、上の方から何かが落ちてきた。
ばたんっ・・・。
俺は落ちてきたそれに目をやった。
「ん・・・また乱暴にして~・・・もうちょっと優しく降ろしてよー」
見た目は小柄な男の子?で、顔が布に隠されている。
「お前誰だ?」
まぁ第一声はこれになるわな。
「僕?僕は送り主だよ?」
は・・・?
「はぁ・・・話にならん・・・じゃあ、ここはどこなんだよ?」
首を傾げながら少年は言う。
「ここは君の夢の中だよ。」
はぁ・・・とまた溜息を吐く。
「あのさー、少しは信用したら?」
「いや、極めて常識的なこと言うけど、目が覚めたら隔離されていて、お前が来たと思ったら、送り主だあ?それでどこか聞いたら夢の中って言われて誰が信じるかっての」
にやっと笑った少年はまた口を開く
「じゃあどうやって、扉もない部屋に入れられたか、僕は知っているような口ぶりだけど、僕以外に宛てがあるの?」
それは・・・ない。
こいつの言ってることは正論だ。隔離されている部屋でいきなり上から降りてきたこいつにしか宛てがない。
「わかったよ。どうすればここから出られるんだ?」
「僕が夢から覚ませてあげるよ♪心配しなくていいよ。」
すると少年は指をパチンっと叩き、目の前に、とある小さなゲートが開門した。俺はそのゲートに吸い込まれる。
―――僕の名前は マナ。
君の夢の送り主だよ・・・。
「おはようございまーす!朝午前7時30分ですよ~!」
アラームの音に俺は起床した。
「変な夢見たな・・・。そういえば今日は文化祭か。」
11月16日に毎年やる文化祭。暑い季節ならまだしも、なぜこんな寒い時期を選んだんだ・・・。
―――なぜか離れない、
送り主か・・・。一体なぜ、何のために送るのだろうか。
「まぁ考えるのは後にして・・・寝るか。」
俺は二度寝をしようとした時。
「お兄ちゃん!?二度寝は駄目だよ!?」
「
琴美は俺の妹だ。テンパりまくるのが特徴。
「二度寝ってね!?二度寝をして起きると怠く感じるらしく、三度寝、四度寝とかになっちゃってね!?あのね・・・!」
「よーく勉強もしないお前が知ってるなぁ。」
俺が笑いながら琴美を煽ると、琴美から返ってきたのは
「うるさい!私だって勉強してるっての!」
腹パンだった。
「うへっ!?」
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