黒白の騎士
シャルル
第1話 原初の黒
その日も、いつもと同じ日々を過ごしているはずだった・・・
教室で窓の外を見ながら、普通の日々に飽き飽きしていた。
「ねえ、辰也 辰也ってば聞いてるの 大丈夫?」
ふと、顔上げるとそこには、心配そうな顔をした瑞季が立っていた。
「あ、悪い 考えごとしてた で、なんのよう」
俺は、瑞季が何を言おうとしてるか大体わかっていた
おそらく海斗の事だろう
「海斗が、今日 久々に、一緒に帰ろうだって!」 笑顔で瑞季が言ってきた。
「また、3人でかよ... 俺は先に帰る」 辰也はそう言い放ち、教室を出た
俺と瑞季と海斗は、幼なじみでいつも一緒にいた。
子供の頃は、3人でいることが楽しかった。
だが、俺は高校に入って2人を避け始めていた。
その理由は、漠然としていたがなんとなくはわかっていた
クラスの人気者な海斗と男子から視線を集める瑞季
俺は、憧れと同時に劣等感を持ちつつあった。
こいつらと俺とは違う 俺には、こいつらみたいな輝きはない
今 思い返すと子供の頃からそうだった。
俺の方が先に始めた剣道だってそうだった...
あいつは、あっという間に俺を追い越しどんどんうまくなっていきやがった
「なんで今になって、思い出すんだろうな」
なんで、今日に限ってつまらない意地をはっていたんだろうと少し後悔していた。
いまさら、撤回しようとも思わなかった
帰り道 竹刀を持った子供を見て思い出していた
(そういえば、前もこんなことがあったけな)
あれは、海斗に大会で初めて負けたときのことだ
それまでは、海斗には一度も負けたことはなかった
その日も、試合を見に来ていた瑞季に一緒に帰ろうと誘われていた
しかし、俺はそれを断って一人で帰った
今になって思えば その時初めて海斗に劣等感を覚えたかもしれない。
「今日は、なんでこんなに昔のことを思い出すんだろうな」
今までこんなことがなっかたから、悪い予感がしていた。
「まさか、走馬燈だったりしてな」
俺は、そんな独り言を言いながら子供たちを眺めていた。
「ただいま」
誰も返してくれない 両親は共働きで帰りが遅い
これは、子供のころからなので もう慣れてしまっている
いつものようにテーブルの上にお金が置かれていた
「また、これだけか」
俺は、携帯に瑞季からメールが来ているのにきづいた
断った後ろめたさからメールを見ることが出来なかった
あらためて、制服から着替えて夕飯の買い物に行こうと自分の部屋の扉を開けた
その瞬間 俺の意識が徐々に遠くなっていった
「なんだ・・・ これ」
今まで感じたことがない感覚に襲われた
「どこだ... ここは?」
俺は、気がつくと見たことのない素材の床の上に寝ていた
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