sundust
命の唄
いのちのうたが聞こえていますか?
哭泣するあなた
まるでたんぽぽのわたげ
吹けば飛びそう
だから実際に吹きました
あなたったら
ほんといい顔をして
あなたたちはむつみあう
嬌歌に嬌歌をかさねて
低音と高音とにわけて
あるいは低音に低音を
あるいは高音に高音を
そうでなければファルセットで
わたしは黒板を爪でひっかいた
うまれてくるあなた
ここはどんな素敵なところ?
雲の都であるとおしえてあげる
うまれたらおちていくだけ
パラシュートは忘れずに
いのちのうたが聞こえていますか?
あなたには聞こえていますか?
わたしには聞こえていません
聞きたくない
脚にある耳をつぶしました
聞いてみても正誤は同じ
では耳は必要と思いますか
ざわめく
あなたは霧にも包まれ
胸がぞわぞわする
わたしはあなたの命に
間違いさがしをして苛立つ
見つかりっこないと承知のはずが
何がどうあろうとも
わたしたちに間違いなどないのです
あなたは視界を
いのちのうたを聞き
哭泣することをやめないで
ぼやかす霧に涙を落として
けれど正しいのだから
堂々とどうぞ
そしてわたしは
あなたに
間違い探しの黒を塗る
いのちのうたなど聞きたくないのに
終わらないアリア
脚を潰しても
すぐに瞳孔で聞こえる
どうしたって人の正解からは逃れられない
唯一の間違いは塗られた黒です
何も気づかないあなた
正誤が見えないのですね
ひとつ、ふたつ、わたしが黒を塗れば
あなたったら
ほんといい顔をして
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます