第7話[理由]

私「理由ですか・・・」

クローディア「そう、理由。・・・冒険を冒せる理由・・・極端な話をしてしまえば

命を懸けそれに相当する何かを得ることができるか・・・かな?」

私「命を懸けて・・・」

クローディア「フィールドにでたらケガをするかもしれない、手足を失うかもしれない

命を落とすかもしれない・・・それなりの覚悟ができていなければ後悔する・・・

理由があって冒険者になろうと思ったんじゃないの?」

私「・・・」

クローディア「理由がないならやめたほうがいい」

私「理由はあります・・・話すのはすこしだけ時間をもらってもいいですか?」

クローディア「そう、あるなら・・・いい」

私「・・・説明するのが難しいというか・・・整理しないと」

クローディア「全部聞こうと思っている訳でもないんだ、ここのメンバーは

みんな何かしらの理由をかかえていて・・・例外もいるけど・・・それなりの覚悟は

もっているかから・・・情報、資金、資材を集めて最終的に自分の目的を果たすために

集まっていると思ってくれればそれでいいから、覚えておいて。」

私「はい」

クローディア「今は神官の仕事をしているんだった?あまりお金を持っていないような

イメージがあるんだけど・・・」

私「え?あ、はい、今は妹と二人で暮らしていて妹はまだ学生なので、私のお金でなんとか」

クローディア「そうなんだ・・・月にいくらくらい?」

私「・・・******くらいですね・・・」

クローディア「・・・?」(あ~だから魔導書も買えない訳か~)

私(首をかしげてる?あ、下向いて・・・え・・・嘘?泣いてる?)

クローディア「・・・すまん」

私「・・・いえ」(う~ん、気まずい・・・)

クローディア「準備金としてこれを渡しておく。」

私「え?・・・・・・こんなに?」

クローディア「今後は定期報酬と探索参加報酬は払うし、装備にかかった費用もこちらで持つ」

私「でも・・・」

クローディア「みんな同じ条件だよ、それなりの仕事はしてもらうからね」

私「・・・はい」

クローディア「じゃあ、ショッピングに出かけましょう、みんなと合流する約束になってるから」


二人で歩いている途中


クローディア「今回は機関が費用負担してくれるからみんな装備品はりきって選んでるよきっと」

私「はあ」

クローディア「あと機関の保険とか保証の書類があるから目を通しておいて」

私「・・・そんなものまであるんですね」

クローディア「今回はかなり機関側も力が入っているからね。」


そんな感じの話を聞きながらメンバーと合流。

すでにいろいろ買いこんでいるようでかなりの荷物の量です。


まっていましたとばかりにみんなで私の装備品や服をえらんでくれて

着せ替え人形の扱いってこんな感じかなと思いつつ・・・

装備品一式をそろえてしまった感じです。

武器と防具はオーダーメイド品で後日届くようで・・・いいのだろうか?

一度荷物を各自持ち帰ってから改めて酒場に集合。

今夜はカレンさんが歌うことになっていて(吟遊詩人でもあるそうだ)

評判はかなりいいとのことです。


オリビアちゃんも歌がうまいそうなのですが、どうも魅了というか誘惑作用があるらしく

大変なことになるとか・・・やっぱりこの子危ないな・・・。


私は昼間の会話の「理由」を思いながら飲みすぎてしまったようで・・・


クローディア「あれ?寝ちゃった?誰か家知ってる?・・・わけないか・・・

ハルお願い、私の部屋まで運んでもらっていい?」

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