第6話 グダグダ斜女神、第2階層
「グダグダ斜女神です(⋈◍>◡<◍)。✧♡ 超グダグダ斜女神会議!」
会議室から始まる。
「まえがき担当の巧と望です。」
二人は司会進行役として挨拶をして一礼をする。
「この度は、真面目に書いても報われないということが分かったので、作品内容を真面目に考えずに、グダグダ斜めに気楽に何でもありでやっていこうという、どこか独特の世界観が確立してしまったので、只管これで書いていこうということに決定しました。」
巧が状況を説明する。
「書き出しはボーイズラブを意識したモノのはずだったのに、私と巧くんの恋の行方はどうなったのよ!?」
望は半分キレている。
「前回の花火みたいにちょびっとだけ出番は回ってくるよ。僕たちが幸せなら、それでいいじゃないか、望。」
巧は望を慰める。
「そうだね。巧くんとラブラブなら、それでいい。」
幸い望と巧は幸せであった。
「それでは愛美露出手先生の傍若無人な会議の様子をご覧ください。」
巧と望は一礼して黒の中に消えていく。
再び会議室。
「それではグダグダ斜女神会議を始めます。」
司会進行役は良い役目をキープしている宛名である。
「最初の議題は・・・なぜ愛美露出手お姉さまは美しいのか!? について各自の意見を言ってもらいます!」
もちろん司会進行役である宛名は免責である。
「良い答えには愛美露出手お姉さまから拍手が、悪い答えには地獄が待っています。」
まさかの国民的お笑い番組方式の会議である。
(地獄!? なんて過酷なんだ!?)
女神たちは身震いで背筋が震えた。
「それでは尼寺須から、どうぞ。」
宛名は気楽だった。おっとこれを書いている時に「斜め女神」から「斜女神」にオシャレに変更された。
「太陽の光のように、眩しい存在だから。」
「パチパチパチパチ!」
尼寺須の答えに愛美露出手は拍手した。
「次は九兵衛。」
「優しくて愛に満ち溢れているから。」
「パチパチパチパチ!」
九兵衛の答えに愛美露出手は拍手した。
「次は手矢的。」
「海よりも広い心で皆を幸せにしているから。」
「パチパチパチパチ!」
手矢的の答えに愛美露出手は拍手した。
「ちょっと待った!」
その時、審査委員長の愛美露出手が突然、声を荒げた。
「どうなさいましたか!? 愛美露出手お姉さま!?」
司会進行役の宛名に動揺が走る。
「三人が同じ展開でつまらないんだけど。背霊寝が地獄に落ちるまで、外野と値盤もいるんだけど。こんなことでファンが喜ぶと思っているの!? ダメよ! 命懸けで笑いを取りにいかなくっちゃ!」
愛美露出手にとって、美しさよりも笑いなのである。
「申し訳ありませんでした。これからチャレンジするものは必死で笑いを取りにいくでしょう。はい、次、外野。」
宛名は外野に直ぐに答えるように言う。
「ええ!?」
外野は戸惑ってしまう。
(司会の宛名に、尼寺須、九兵衛、手矢的はいいな・・・。失敗したら・・・愛美露出手お姉さまに殺される!? いったいどうすればいいんだ!?)
外野は先に終えた女神たちを羨み苦悩した。
「外野、愛美露出手お姉さまに良い所が無いと言うのか?」
宛名は外野に答えを促す。
「私は美しく無いの?」
しびれを切らした愛美露出手がプレッシャーをかけてくる。
「あ、あ、あわわわわ!?」
外野はプレッシャーに負けて、口から泡を吹いて倒れ救急車に乗せられて運ばれていった。
「パチパチパチパチ!」
愛美露出手は助けるどころか、面白かったので笑顔で拍手をした。
(外野、おまえの死は無駄にしないぞ!)
女神たちは心の中で星になった外野に誓った。
「次は値盤よろしく。」
「私やサマエルのような毒毒しい者にでも仕える機会を与えて下さった愛美露出手お姉さまは何も言わなくても美しいに決まっています。」
「パチパチパチパチ!」
愛美露出手は面白くないことを言った値盤に拍手を送った。
「愛美露出手お姉さま、今の値盤は面白くなかったのでは?」
宛名が愛美露出手に質問する。
「値盤はギャグ要員じゃないからいいのよ。」
後発の値盤は他の6人の女神と扱われ方が違った。
(なに!? 値盤、うらやまし過ぎるだろ!?)
外野の死は無駄死にだった。
「次、背霊寝。」
司会進行役は宛名です。
「そ、そんな!? これはいじめだ!? 私を地獄に落として遊ぶためのいじめに違いない!? 最初から計画的な反抗じゃないか!? 異議ありだ!?」
背霊寝も展開を理解してきた。
「パチパチパチパチ!」
予想外に愛美露出手は拍手を送った。
「背霊寝、安心しなさい。あなたを今は地獄になんか行かせないわよ。」
愛美露出手の心は今は広かった。
「愛美露出手お姉さま! やっぱり私の大好きなお姉さまは存在自体が美しゅうございます!」
背霊寝は愛美露出手に駆けて走り抱きつこうとする。
「・・・だって、これはウォーミングアップですもの。」
愛美露出手から衝撃の発言がされる。
「え!?」
背霊寝の足が止まり固まる。
「なに!?」
女神たちは自分たちは騙されたと言わんがばかりに驚愕する。
「本当のお題はこれよ!」
と、本当のお題が発表される。
「グダグダ斜女神の登場キャラクターを、増やすべきか増やさざるべきか!?」
作品展開の中で1番大切な問題である。
「おお!」
女神たちも自分たちの生存がかかった問題に興味津々である。
「宛名、現状の説明をよろしく。」
「はい! かしこまりました! 愛美露出手お姉さま!」
愛美露出手は面倒臭いことは司会の宛名に振る。
「現状、グダグダ斜女神の登場人物は女神8人、堕天使1人、邪悪な方、邪念、巧と望、あとおまけで、もう飽和状態です。これ以上増やすと、我々の誰かの出番が減っていくのは明白であります!」
女神たちは出番が減るかもしれないという危機的状況であった。
「キャアアア!?」
女神たちはピンチにパニックに陥る。
ベットで裸で抱き合って寝ている巧と望の綺麗な景色をお楽しみください。
「どこで映像が切り替わっているんだ!?」
尼寺須たち女神のパニックは放送NGなのだ。
「我々の平和を守るのも守護女神アテーナーの私の役割ですから。」
でかした! 宛名。
「素晴らしいわ!」
九兵衛も大絶賛。
「ポイズン・ラーメンなんて、どうだろうか?」
あくまでも手矢的は独自路線である。
「こうやって一人一言しゃべるだけでも大変なのに、これ以上キャラクターを増やす意味はないでしょう。」
外野は登場人物の増加に反対だった。
「私はどっちでもいいですよ。だって雑用係だから愛美露出手お姉さまにこき使われるたびに出番がもらえるんだもの。ホッホッホ。」
背霊寝は勝ち誇る。
「うらやましい!?」
他の女神たちは背霊寝を憎んだ。
「あの・・・8人目の私がしゃべるまでに1000字追加されているんですけど!?」
値盤が話すまで、なかなか出番が回ってこないのだった。
「なんですと!?」
女神たちは登場人物が8人でも多いのではないかと戦慄を覚えた。
裸で背中を洗いっこする巧と望の綺麗な泡風呂の映像をお楽しみください。
「ナイスタイミング!」
尼寺須は綺麗な映像が良いタイミングで入ったことを喜んだ。
「任せとけ!」
宛名もしてやったりだった。
「頼もしいわ!」
九兵衛は大絶賛した。
「ポイズン・冷やし中華はどうですか!?」
手矢的は新メニューの開発に余念がなかった。
「美味しそう! 毒多めでお願いします!」
真面な設定の値盤も愛する毒にグダグダしてきた。
「もう笑うしかないわ。」
外野はお手上げだった。
「私はグダグダしていない! 愛されキャラなだけだわ!」
背霊寝は何か勘違いをしていた。
「私たちがグダグダ斜女神してきたのは、あなたの性よ。」
愛美露出手は現実逃避しようとする背霊寝を見逃さなかった。
「え!? 私ですか!?」
可愛こぶって誤魔化そうとする背霊寝。
「背霊寝を消去して、新キャラクターを登場させようかしら?」
愛美露出手は背霊寝を消す気である。
「お許しください! それだけはお許しください!」
背霊寝は愛美露出手に泣いてすがりつく。
ご飯を食べていて、巧の頬っぺたにご飯粒がついて、それを取ってあげる望の綺麗な映像をお楽しみください。
「次の議題に入ります。宛名、よろしく。」
愛美露出手は綺麗な映像で気を取り戻した。
「はい! かしこまりました! 愛美露出手お姉さま!」
宛名は司会進行役なので良いポジションにやる気満々である。
「次の議題は作品の内容です。グダグダ斜女神が基本スタイルですが、話の内容をどうするか話し合いたいと思います。」
グダグダだけでは物語にならないのだ。
「太陽全快の内容でいいと思います。」
尼寺須は自分の好きなことを言う。
「愛に溢れた内容にしましょう。」
九兵衛は地母女神らしい回答だった。
「ポイズン料理を食べて、どこまで耐えることができるか実験する内容がいいと思います。」
手矢的は内容よりも毒の実験であった。
「地震が起こりまくる世界の世紀末的な作品でいいんじゃないかな。」
外野も自分勝手な意見を言う。
「・・・。」
背霊寝は怖くて何も言えなくなっていた。
「やはり強いのは日常系の出来事の現実ファンタジーか、本当に異世界で冒険する異世界ファンタジーかのどちらかですね。」
「うんうん。」
値盤のまともな意見に女神たちは頷いて納得する。
「そうね。では決めましょう。背霊寝、あなたが決めなさい!」
愛美露出手は作品内容を背霊寝の意見で決めようとするのだった。
「ええ!? 私ですか!? あわわわわ!?」
背霊寝は予想外の展開にパニック状態になり口から泡を吹き気絶する。
高校生らしく勉強を教え合っている巧と望の綺麗な映像をお楽しみください。
「ということで、本当にグダグダした内容なので、日常の10月から連想して、前に書いた花火のような日常に季節感を足したようなグダグダした斜め行く女神の日常をイメージしていきましょう。」
「はい! 愛美露出手お姉さま!」
これはキャラクター一人一人に照準を当てて書くと、人気の無いキャラクターの回は、極端に面白くなくなるのを知っているからの愛美露出手の決断である。
「それではお題は10月といえば。一人一つはアイデアを出してね。」
宛名は司会進行役なので楽であった。
「秋と言えば! 紅葉の秋!」
尼寺須は紅葉狩りを想像した。
「秋と言えば、運動会! スポーツの秋でしょう。」
九兵衛は徒競走や玉入れの運動会を思いついた。
「秋と言えば食欲の秋! ポイズン・秋のフルコースでいかがですか!?」
手矢的は秋でも毒尽くしであった。
「松茸とか、ぶどう、栗とか、美味しいですよ。」
外野は高級品に手を出した。
「中秋の名月とお団子にお茶ですよ! 月の女神、最高!」
背霊寝は自分が月の女神で良かったと実感した。
「秋と言えば勉強の秋でしょう。良い子の皆さん、秋に読書しないとダラダラ斜女神のように、ある意味で素敵な女神になっちゃいますよ。それでもいいんですか?」
値盤が、どんどん優等生キャラとしての地位を確立していく。
「秋と言ってもいろいろあるのね。はあ!? こんなくだらない話をダラダラしていたら、もうすぐ半分の5000字に到着しちゃう!? 帰って歯科助手のみなみちゃんの再放送を見なくっちゃ! 会議終了!」
愛美露出手の秋は、秋コスメの新作がメーカーから大量に送られてくるので、このダラダラ斜女神たちの顔を使って試しメイクするので忙しいのだった。今年は濃いいアイシャドウと太い眉毛が流行っているそうな。
「起立、礼、解散!」
こうして第1回ダラダラ斜女神会議は幕を閉じた。
巧の家でボーイズラブ会議。
「ねえ、巧くん。誰かに覗かれているような視線を感じたんだけど・・・。」
望は愛美露出手の化身なので気になるのは仕方がない。
「そう? 僕は全然感じなかったけど。」
巧は覚醒していないのでダラダラ斜女神たちの気配は感じない。
「何事もないならいいけど。」
「それよりも、第3の男はいつ現れるんだろう?」
「第3の男!?」
巧の第3の男発言に望は驚いた。
「私と巧くんの中を引き裂く第3の男目! 見つけ次第、愛と美の女神アプロディーテー様の化身の力を持って全力で、この世から抹殺してくれるわ!!!」
「おまえ本当に望か・・・。」
望の豹変を巧は疑いの目で見る。
「だって巧くんを第3の男に取られそうで心配なんだもん!?」
望は巧に心の不安をぶつける。
「そういえば・・・そうだな。元々は同性愛・ボーイズラブ系の作品になって、美少年ばかりが好きな女の子の支持を得ようと始めた物語だ。」
巧は作品の源流に気づいた。
「そうだよ! 名前だけなら、翔、渉、昴、築。最近流行りのキラキラネームでよければ、漣なんて言うのも待機してるよ!」
これが第3の男候補たちだった。
「おかしい!? いったいどこから道を逸れたんだ!?」
「女神様教師たちの個性が強すぎるんだよ!?」
「確かに・・・。」
巧と望の二人に対し、既に女神は八人・・・勝てる訳がなかった。
それでは女神のスポーツの秋をお楽しみください。
「よ~い! ドン!」
スポーツの秋らしく、生徒ではなく女神教師たちの運動会が始まった。まずは50メートル走からである。
「負けるもんか! アースシェイカー!」
外野が手を地面に当て地震を起こし地割れを起こす。
「うわあ!?」
女神たちはバランスを崩してし立往生してしまう。
「ギャア!?」
ドジな背霊寝は地割れに落ちていく。
「お先!」
外野は他の女神たちを置き去りにして先に行こうとする。
「どうしよう?」
地割れで前に進めない女神たちは悩んでしまう。
「私にお任せ! こういう時こそ、守護女神の日曜大工の力をお見せします!」
宛名が地割れに橋をかけて女神たちが前に進めるようにする。
「ありがとう! 宛名!」
「それでは私は疲れたので休みます。どうぞ、お先にお進みください。」
「ありがとう、宛名。あなたの死は無駄にしない。」
守護女神アテーナーの宛名、リタイヤ。
「やった! 私が1番だ!」
外野はゴール前までやって来ていた。
「ギャア!?」
その時、外野の胸を光の矢が撃ち抜いた。
「こ、これは太陽光線!? 尼寺須か!? バタ。」
大地女神ガイアの外野、リタイヤ。
「おまえをゴールさせる訳にはいかないのでな。」
地割れ橋を渡った所で尼寺須がスナイパーのように太陽光線を飛ばし、先行していた外野を狙撃する。
「太陽エネルギーを充電するまで私は動けません。先に行ってください。」
「ありがとう、尼寺須。」
太陽女神天照大神の尼寺須、リタイヤ。
「私が宛名や尼寺須の救護に当たります。みんなは安心して先に進んでください。」
「ありがとう、九兵衛。」
大母女神キュベレーの九兵衛、リタイヤ。
(まずい!? このままでは最後、愛美露出手お姉さまと争わなければならなくなる!? 愛美露出手お姉さまのことだ、もしも私が勝つようなことがあれば・・・殺される!?)
手矢的は恐怖で全身が震えた。
(水よ! 来い!)
手矢的は水を呼び寄せることにした。
「ああ!? 地割れから水が湧いてきた!? 私は水の流れを止めなければいけない!? 皆さん先に行ってください!」
その時、わざとらしく地割れから水が湧き出した。
「ありがとう、手矢的。」
海と毒の女神ティアマトの手矢的、リタイヤ。
「最後に残ったのは私と値盤だけね。ここからは一騎打ちよ! 正々堂々と戦いましょう!」
「はい、愛美露出手お姉さま!」
まだ新入りの値盤は物事の重大さに気づいていない。
「よ~い! ドン!」
改めて残り10メートルを二人は走り始めた。
「キャア!?」
誰かが値盤の足を引っ掛けて転ばした。
「何!? いったい!?」
「私だ。」
「サマエル!?」
死を司る天使サマエルが姿を現した。
「何するのよ!?」
「おまえには死相が出ている。この50メートル走は愛美露出手様に勝ってはいけないのだ。他の女神たちのわざとらしいリタイヤの仕方を見てみろ!」
「なんですって!?」
値盤は後ろを振り返った。
「わ~い!」
「おいしい!」
「50メートル走のコースで食べるおにぎりはおいしいな!」
「ポイズン・唐揚げもあるよ!」
宛名、尼寺須、九兵衛、手矢的は仲良くお弁当を食べていた。
「そういうことだったのね!?」
生真面目な値盤は、やっとグダグダな本作品の本質に気がついた。
「痛い!? 足の骨が折れました!? 愛美露出手お姉さま! 私のことは気にせずにゴールしちゃってください!」
「分かったわ! ゴールしたら必ず迎えに来るからね! それまで耐えるのよ!」
愛美露出手はゴールに向けて走り出した。
「セーフ。命拾いしたわ。ありがとう、サマエル。」
「当然だろ? 私たちはコンビなんだから。」
毒毒女神ネヴァンの値盤、リタイヤ。
「みんなの死は無駄にはしない! 必ずゴールして見せる!」
意を決した愛美露出手は両手を広げてゴールテープに触れゴールしようとしていた。
「ゴール!」
その時だった。愛美露出手がゴールテープに触れる前に、地割れでクレバスに落ちたはずの背霊寝が地を這い上がり、愛美露出手よりも先にゴールした。
「え!?」
愛美露出手は目を鳩が豆鉄砲を食ったように戸惑った。
「やった! 背霊寝一番! 月のウサギさん見てくれた!」
空気が読めない背霊寝は勝利を月に捧げた。
「せ、せ、背霊寝!」
「どうしたんですか!? 愛美露出手お姉さま!?」
「あなたの性で多くの女神たちの死が無駄になっちゃったじゃない!?」
「ええ!? 私は50メートル走で勝っただけですよ!?」
愛美露出手はお怒りだったが、天然の背霊寝には愛美露出手が怒っている理由は理解できなかった。
「愛と美の女神アプロディーテーの美学を汚す奴は、誰であっても許さない!」
愛美露出手は背霊寝を持ち上げる。
「ラブ&ビューティー・シュート!」
そのまま放り投げた。
「ギャア!?」
空を飛んだ背霊寝は、そのまま玉入れの網の中にすっぽりと入ってしまった。
「愛と美に敗北の文字はない。」
愛美露出手は勝ち誇ったように去って行く。
「ギャア!? 助けて下さい!? 愛美露出手お姉さま!? 置いていかないで!?」
背霊寝は玉入れの網の中で泣き叫ぶしかできなかった。
「平和って、いいね。」
「本当だな。太陽が気持ちいい。」
「食後のお茶は湯飲みに限るわね。」
「ポイズン・コーヒーもあるよ。」
勝ち組の4人は食後のお茶を楽しんでいた。
巧と望は仮想世界で女神たちと戦うことをイメージしてみた。
「私たちと戦うというのか!? 面白い、七人の女神を倒すことが出来たら、私が相手をしてやろう。主役の座を返してほしければ、私の元までやって来るがよい。ワッハッハー!」
愛美露出手は女神8人のボスとしてメッセージを発する。
「何が何でも女神を倒して、元の物語に戻してみせる!」
「ボーイズラブを復権させるんだ!」
巧と望は女神たちと戦うことになった。
「愛美露出手お姉さまの元には行かせないぞ! この守護女神アテーナーの宛名が通さないぞ!」
宛名が巧と望の前に立ちふさがった。
「いくぞ! 望!」
「OK! 巧くん!」
巧と望は宛名との戦いを始める。
「いでよ! 化粧箱! コスメティックボックス!」
望は煌びやかな化粧箱を呼び出す。
「ヴィーナス・ゴールド・メイクアップ!」
望は巧に口紅やファンデーションにアイシャドウなど手際よく化粧を施していく。
「金色の女神の化身オーラをまとった巧くんの完成です!」
巧は望の手によって黄金の戦士に生まれ変わった。
「くらえ! 邪念! 金色のバスターランチャー!」
巧は金色の女神の化身オーラを集約させバスターランチャーを描き実態化させる。
「当たれ!」
巧はバスターランチャーの引き金を引き、黄金の光が宛名を襲う。
「イージス若しくはアイギスの盾。」
宛名は最強の盾を出し、巧の放った黄金の光を簡単に防いでしまう。
「なに!?」
「巧くんのバスターランチャーが!?」
巧と望は守護女神アテーナーの宛名の盾の性能に驚く。
「伊達に学校の外壁は直してないのよね。」
宛名は得意げに言い放つ。
「クッ!?」
巧と望は攻撃を防がれて、手も足も出すことができなかった。
「今度はこちらの番だ。アテーナー・インタセプション。」
宛名の周りに無数の迎撃ミサイルや対空砲が出現する。
「ファイアー!」
宛名の掛け声と共にミサイルと銃弾が当たりにでたらめに飛び交う。
「ギャア!? どうすればいいんだ!?」
「見て! 巧くん。 上空には無数の攻撃があるけど、地面はガラ空きだよ。」
「本当だ!」
希望を見つけた巧と望は自衛隊顔負けの匍匐前進を始めた。
「どうだ! 伊達に司会進行役で愛美露出手お姉さまのお側に仕えている訳ではないのだ! ワッハッハー!」
要するに我儘な愛美露出手の相手で溜まったストレスを発散しているのだった。
「捕まえた。」
「なに!?」
宛名の服を掴む巧と望が地面を這いつくばって笑顔で現れた。
「バスターランチャーが盾で弾かれるなら、他の方法で攻撃するしかない!」
「くらえ! 巧くんと私のダブルこちょこばし・アタック!」
巧と望は二人で宛名の脇や足の裏をこちょばし始めた。
「キャッハッハ!!!」
「こちょこちょ。」
宛名は堪えきれずに笑い転げる。
「参った! 参った! ここは通すから、こちょばすのは止めて!」
宛名はこちょばしによって降参した。
「やった! 勝った!」
「やったね! 巧くん!」
巧と望は女神を一人倒したのだった。
「次の女神の所へ行くぞ!」
「私たち二人なら、あと七人の女神もなんとか倒せるよ!」
巧と望は次の太陽女神天照大神の元へと急ぐのだった。
イメートレから戻って来た巧と望。
「どう? 巧くん?」
「僕たちでも守護女神アテーナーの宛名先生を倒せるんだ!」
巧は別次元的に燃えてきた。
「この調子で、ビンタ、デコピン、ババチョップで女神教師を倒して、世界に平和をもたらすんだ! 僕は救世主になるんだ!」
「いや、愛美露出手様は世界に危害は加えてないから・・・。」
望は大げさな巧に呆れる。
「それにしても、ここで終えては、またまた女神教師の恐怖の秋シリーズが始まってしまう!? なんとか食い止めなければ!?」
巧は巧的には真面目だった。
「この話を終えて、半分の5万字になっちゃうんだね。巧くん、今後の展開を考えてみたら。」
「そうだね。残り1000字では女神様の秋シリーズも描けないもんね。」
女神だけでなく、ボーイズラブもグダグダである。まあ、誰もこのような書き方はしないだろうということで、全部グダグダ斜めな展開である。
「僕は一つの仮定にたどり着いた!」
巧は何かを思いついたようだ。
「どんなアイデア!?」
望も興味津々である。
「人間の男に神、若しくは女神などの異世界ファンタジーキャラクターが憑いているというのはどうだろう?」
巧は自信たっぷりに提案する。
「おお! さすが、巧くん! いいアイデアですね!」
望も巧のアイデアを絶賛する。
「女神の生まれ変わりだと転生になってしまうので、パクリで面白くない。それなら女神が人間の体を借りて、人間界に遊びに来ているということにしてしまえば良いということだ。」
昔、異世界ファンタジーを書いていたキャラクターの天使シエルで使ったネタである。別に書籍化してる訳ではないので再利用しよう。
「天使や女神を召喚という方法もあるが、それもパクリ、お馴染み、どの作品も同じ過ぎて面白くない。」
「大ヒット作品でもパクリばっかりだもんね。少しでもずらせるものはずらしたいよね。」
不正をしていない作者の望と出来る限り苦慮した巧な結果である。
「私は愛と美の女神アプロディーテー様の化身設定だけど、じゃあ、巧くんの神は何になるんだろう?」
ふと、望は思った。
「時の神かな? だって名前が時神巧っていうぐらいだもん。」
「あ、そっか。ワッハッハー!」
照れ笑いする望の名前も愛神望という。
「好色な女神の依り代に人間の男の体が必要になる。そうすると第三の男を出さざるを得ない状況が生まれる。女神が取り憑いている訳だから、美男子は確定!」
「これで女子人気と男子人気を持つキャラクターが量産できるね!」
「フフフフフッ!」
巧と望は成功すればガッツリと儲けるつもりである。
「え、少し時間が余っている?」
「巧くん、1話1万字まで400字だね。」
「どうやって暮らそうか?」
巧と望は考え込む。
「そうだ! グダグダ斜女神の歌でも作ってしまえばいいんだ!」
「ナイス! アイデア! 巧くん!」
こうして字数稼ぎの主題歌作りが始まった。
「どう考えても、出だしの歌詞は、グダグダグダグダの16ビートの連射系だよね?」
「そうそう、それで視聴者が一気に引いて消え去ると。」
「呪いのオープニングソングとして、世間で炎上して、円盤と主題歌を売り、声優にイベントさせまくって、制作費を回収すると完璧な商売だね。」
巧と望には、意外な才能があったみたいだ。
「やめれい! このエセ・ボーイズラブ共!」
その時、第三の男が現れた。
「おまえは誰だ!?」
巧と望は第三の男の出現に驚く。
「俺の名前は・・・。」
「ストップ!!!」
第三の男が名乗ろうとした時に望が止める。
「悪いけど、1万字達成により、これ以上は執筆しないので、この話は終わりだ!」
あくまでもグダグダすることにした。
「なんじゃそりゃ!?」
第三の男は出鼻をくじかれた。
「さようなら。また来週。」
笑顔で手を振る巧と望でした。
つづく。
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