見えないこだわり
「タトゥー、また入れてほしい図柄があるんです。こんな感じで」
患者様はそう言って、
「もちろんいいですよ。相変わらずセンスがいいですね。ただ、あなた既に全身に入れられているので、もう入れられるスペースがどこにもないと思うんですが…」
「フッフッフッ、まだまだですね目井さん。見えないところにこだわるのが玄人ってもんなんです」
数日後。
「ああ、じゃあこの方はこれでいいのね!」
手術中にとある理由で軽くパニクり、電話で目井さんに助けを求めた
「ええ、問題ありません」
「良かった。何かわたくしの知らない症状かと焦ってしまったわ」
「大丈夫そうですか? その患者様もあなたも」
「大丈夫よ。事故でお腹が大きく裂けちゃってるだけだから、無茶のない方法でちゃんと治せるわ。じゃあオペに戻るわ、ありがとうね」
電話を切った身代は、事故によって露わになった腹部の皮膚の内側や、ありとあらゆる内臓に色とりどりのタトゥーが施された人物の治療を再開した。
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