第11話「予想GUYにナイスGUY」
「そうだ俺は変態だ。そこのお嬢さんがタイプすぎて、理性が抑えきれなかったのだ。抱きたかったんだ、何が悪い?」
倒れた俺は立ち上がり、大声でそういった。
『なんだあいつ、開き直ったぞ。』
『あいつ、さっきも他の女にもなんかしてなかったか?』
『なんだよ、あの髪型?』
周りから、ざわざわといろんな声が聞こえてくる。
『おい、へんたい!しんじゃえーーー!』
なんと、小さな子供が石を投げてきた。
しかし、身体にぶつかりそうになった瞬間、俺の体からは海藻が生えてきて、皮膚をガードした。
な、なんだこの能力。
「ひっ、バ、バケモノ!」
先ほどほのかと呼ばれていた女の隣にいた女が、思わずそう叫ぶ。
そりゃそうだ、ニワトリが襲ってきたと思ったのを蹴ったら、人間で、しかも体中から海藻が生えるのだ。これがバケモノじゃなくて何だろう…。
しかし、俺を蹴った張本人のほのかちゃんの反応は予想外のものだった。
「…、す、すてき!そんなに堂々と抱きたいっていうなんて!」
えっ‥‥!?何言ってんのこの女。
「…私の周りは、顔色をうかがうばかりで、そんなことを言う人はいませんでした。はっきり抱きたいなんて言ってくれた人初めてです。しかもその変な髪型も、わりと素敵です!」
金髪でこんがりよく焼けた肌、超ミニスカートに薄手のカーデイガンを羽織っているどう見てもギャルにしか見えないその女だが、よく見ればどことなく気品がある。
すると隣の女がさらにとんでもない一言を言った。
「ほ、ほのか!いえ、ほのか姫さま、何をおしゃってるんですか?」
…ひ、姫様だと!
「イセリア、なんでばらすのよ。すいません、私はここより北の領地の小国をおさめる王の娘なのです。ホノカ=シュタッドヘルトと申します。隣は、従者のイセリア。」
そういって、ホノカちゃんは、軽く微笑みながら、ぺこりと頭を下げた。
「ほのか!こんな奴に丁寧なあいさつする必要ないですよ。」
「イセリア!失礼なことを言わないの。私はこの方を気に入ったんです。ええっと、その失礼しました、あ、あなた…そういえばあなたはお名前なんておっしゃるのですか。」
そういえば俺って何て名前なんだろう。転生されたせいかなんか記憶にないから、
適当に名乗っておくか…。さてなんて名乗ろうか?
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