第四十四話 俺とパフェット、合印決定選に参加する!?

 何故か、俺がメシ担当になっていた。仕方ないので、今日も美味しいメシを自作した。異世界の食べ物は野菜や肉は大して変わらないが、調味料が違うので味がまた変わっている。腐っている物を捨てようとしたら、パフェットにそれはワウスという発酵調味料だと言われ、愕然としたこともある。調味料を切らしてしまい、それで味付けしたところ、不思議なことに最高に美味かった。それ以来、そのワウスが欠かせなくなっているという、不思議な話だ。


 今日も、パフェットより最高に美味く作ったメシを食べた後、パフェットが新聞を持ってきた。


「ガーリックさん、見るですっ!」

「なんだ? 新聞?」

「この間、クエッションが亡くなったという記事が載っていたですよねっ?」

「ああ、そういうこともあったな……。マルネス様に報酬を貰って買い物をして帰った後、次の日の新聞に合印様の似顔絵と共に、第三区域の合印クエッションが亡くなったと、でかでかと一面に載っていたな!」


 クエッションは、暗号の森をさまよっているときに、暗号たちの罠にかかったのだろうか。合印様だから、暗号の罠にかかるとは思えないが、スキュエア様の事件のこともあるし、一概にはそうとも言い切れない。何があったかは知らないが、コテンパンにされそうになったので、悲しさは全く湧いて来ない。


「それで、クエッションが亡くなったことが何なんだ?」

「今度、第三区域の合印を決めるための合印決定選があるですっ! 一緒に参加するですっ!」

「確かに、暗号をどうにかしなければ、区域内で暮らすのも大変そうだから、そういう制度になったのかもしれないな!」


 でも、俺も合印決定選に参加するように勧められたので、吃驚していた。パフェットのことだから、一人で参加するのかと思っていた。


「でも、俺も参加しなくちゃならないのか?」

「ガーリックさんか私が合印になれば、一生楽して暮らせますっ!」

「ああ、そういうこと!」


 まあ、合印決定選に参加するのも悪くない。


「それに、お祭りの屋台がたくさん出るですよっ!」

「楽しそうだな! 参加しようぜ!」


 そうして、俺とパフェットは、第三区域の合印決定選に参加することになったのだった。

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