第24話「地獄の牛鬼」「サザエさんの中島君」「コインロッカーベイビー」
「地獄の牛鬼」
聞いたものが恐怖のあまり死んでしまうというこの世で最も恐い話、「地獄の牛鬼」
それはこういった話である。ほんとに死んだりは
しないので安心して欲しい。
江戸時代のあるところに作物を荒らす妖怪に悩まされている農民がいた。夜になると畑の作物が襲われる
という。その農民のもとに預言者を名乗る女が現れた。
農民の娘を夜中、海岸に妖怪の生け贄に捧げればもう悩まされずに済むというと女は去っていった。そこ
で農民は泣く泣く娘を生け贄にすることを決めたが腕の立つ侍を雇い、娘が危機になると助けることを条件に海岸に向かわせた。
夜の浜辺で暗い海を眺めていると海からあの預言者の女がでてきて侍が斬り掛かるとその女は巨大な恐ろしい牛鬼に変化し侍の刀を食ってしまった。絶対絶命の時、どこからか別の刀が飛んできて牛鬼の眉間を貫いた。
実はその刀は侍の先祖が代々受け継いできた名刀だったのだ。
どこかの県ではこの話は昔話として今も語られていて牛鬼を退治したという刀が祭られているというが…
「サザエさんの中島君」
サザエさんの弟カツオの親友、中島君の家族は祖父と、ごくたまにだが兄しか登場しない。実は両親はすでにこの世にはいない。戦死したのだ。
原作のサザエさんは戦後間もなく新聞で連載がスタートした、社会風刺を織り混ぜた4コマ漫画。
連載当初キャラはちゃんと歳を取っていて、初めカツオは幼稚園児だった。それを踏まえ逆算すると、父親は出征し戦地で死亡。母親は空襲でまだ赤ん坊だっ
た中島君をかばって死亡したのだ。
戦後、生き残ったのは、親の実家に疎開していた兄と、実家の主である祖父。そして中島君である。メガネを掛けてるのは、空襲の影響で弱視になったからだそうだ。
「コインロッカーベイビー」
ある若い女性が不本意に妊娠してしまった子を極秘に出産した。
しかし、お金の無い彼女には子供を育てる余裕などなく、またそれほど欲しいと思ってもいなかったのでひっそり捨てることにした。
どこがいいのだろう・・・思いついたのが駅に設置されているコインロッカーの中。そして赤ちゃんをコインロッカーの中に置き去りにしてしまった。
それから数年して、彼女は赤ちゃんを置き去りにしたコインロッカーの前を通らないようにしていたがその日はたまたまそのコインロッカーの前を通ってしまった。
前を通るとコインロッカーの横に子供がうずくまっており、泣いている。女性は可哀相に思いどうしたの?と声を掛けた。
「どうしたの?」との問いになにも答えない。
「どこから来たの?」との問いになにも答えない。
質問には何一つ答えない。困った彼女は思わずこんなことを言った。
「この子のお母さんは誰なのかしら・・・」
するとその子供は凄い形相になり、こう叫んだ。
「お前の子だぁ!!」
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