唐婉「釵頭鳳」より超訳「だから、嘘をつく。」

世情薄 人情悪(世情薄く、人情にくし)

雨送黄昏花易落(雨、黄昏を送りて、花、落ち易し)

暁風乾 泪痕残(暁風乾き、泪痕残る)

欲箋心事(心事をせんせんと欲して)

独倚斜欄(独り斜欄にる)

難難難(かたし、難し、難し)


人成各 今非昨(人成ること各々にして、今、昨に非ず)

病魂常似秋千索(病魂、常に秋千索のごとし)

角声寒 夜爛珊(角声寒く、夜、爛珊たり)

怕人尋問(人の尋問をおそれ)

咽泪装歓(咽泪、歓を装う)

瞞瞞瞞(あざむけり、瞞けり、瞞けり)



いつもそう 世の中は薄情ね 人は忘れる生き物だから

夕暮れ時 雨が降って 咲いた花は ばらばらになる

夜通し泣いた 乾いた朝の風が涙をさらう 赤い目はそのままね

思い出をつづったページしおりを挟んで

独りぼっちで階段に座り込んで

どうしたらいいんだろう? わからない


いつもそう 人は皆 変わってく あなたもきっと昔と違う

揺れる心 ふらふらと 秋千索ぶらんこみたいに行ったり来たり

角笛の音が悲しい たくさんの壊れそうな夜を 一人で越えてきたの

「寂しかった?」なんて訊かないで

涙は「会えて嬉しいせい」って言うから

騙されてね あなたを忘れてたふりをするから



***


from 守りたきもの ( off line )

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