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死を願う私達に救いはあるのか。それを求めてもいいのか。
そもそも、何をもって『救われた』といえば良い?
私にとって果たすべきことはそれだと分かる。彼は? 私が目的を達成した後、どうするんだろう?
やはり罪に問われるんだろうか。
それならば、余計なお世話だと言われたとしても、私は。
私がすべきことは。
***
「お疲れ様です」
「おう」
「喉、渇いてないですか?」
「まぁそこそこは」
「じゃあ……これ」
「気が利くじゃん」
「……………………」
「っ、ガッ……ハッ……おま、」
「ごめんなさいこうするしかないんです」
嘔吐する彼を見下ろし、手を組み祈ります。
「ごめんなさい、愛しています、愛してしまったから、ごめんなさい」
彼の喉がひゅーひゅーと鳴っている。
「ごめんなさい、私、すぐいきます。それにきっともうすぐ助けも来ますから」
自分用に残しておいた特製ドリンクを一気に呷る。遠のく意識の中で、サイレンの音を聞いた気がした。
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