敵
「寝ぼけてたんちゃう?」
母にはそう言われた。
「そんな事ないわ!何回も体触られてるんやで!だいたい寝ぼけて2階まで上がってくるんか!」
「・・・・そうちゃうか・・・・」
「ずっと前からなんやで」
そう言った後は無言であった。
そしてその後きっぱりとおっちゃんに出て行かれたら困る。
生活が出来なくなる。
あんた達も今みたいに1人1部屋なんか無理やからあんたらも困るやろ、と。そう言った。
結局は我慢しろという事?
いや、なかったことにしたいのか?もうどっちでもいい。
でも鍵はそのままにしておく事を宣言した。
母は何が気に入らないのか「明日からあんたら2人で生活しぃ」
そう言って1ケ月分の食費として3万円くれた。
全く意味不明であったが、母はやはり私達の味方ではない、敵だという事だけはよく分かった。
小学生の頃、出て行った母を思って会いたくて会いたくて一緒に暮らせる事だけを夢見ていた。
そんな母と完全に決別した瞬間だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます