「寝ぼけてたんちゃう?」

母にはそう言われた。

「そんな事ないわ!何回も体触られてるんやで!だいたい寝ぼけて2階まで上がってくるんか!」

「・・・・そうちゃうか・・・・」

「ずっと前からなんやで」

そう言った後は無言であった。


そしてその後きっぱりとおっちゃんに出て行かれたら困る。

生活が出来なくなる。

あんた達も今みたいに1人1部屋なんか無理やからあんたらも困るやろ、と。そう言った。


結局は我慢しろという事?

いや、なかったことにしたいのか?もうどっちでもいい。


でも鍵はそのままにしておく事を宣言した。


母は何が気に入らないのか「明日からあんたら2人で生活しぃ」

そう言って1ケ月分の食費として3万円くれた。


全く意味不明であったが、母はやはり私達の味方ではない、敵だという事だけはよく分かった。


小学生の頃、出て行った母を思って会いたくて会いたくて一緒に暮らせる事だけを夢見ていた。

そんな母と完全に決別した瞬間だった。

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