西暦2025年6月5日:課外授業にて②

ようやく基礎を教えた所まで記したので、ここからは応用や実験も含めた内容を書くとしよう。

もう面倒な説明は終わったから後は楽なんだが、問題は話し方だろうか。

俺も講義はつまらないと知っているから面白くなるよう努力はしたが、俺達の講義が面白かったかどうかは正直分からない。

ま、脚色はせずありのままを書くとしよう

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休憩を入れて10分、そろそろ良い頃だと思い再び講義を再開しようと生徒を集めた。


「さて、ここからは基礎じゃなく趣向を変えて専門知識を教えていこうと思う」


「それぞれざっと特徴を紹介した学問について気になる人も居るでしょうし、興味が

出てくる人も居るかもしれませんからね!」


と、こういう流れで始めた。

因みに紹介した学問とは白魔術、黒魔術、召喚魔術、蘇生魔術、錬金術の5つだ。

精霊魔術と神聖魔術は例に出すと同時に紹介したから省くとして、これを全て紹介する時には昼過ぎになっていて丁度休憩を挟めるのでは無いかと二人で話していた部分でもある。


「まずは・・・安定の白魔術から入っていくか」


「精霊魔術の次に使用する事が多いメジャーな魔術ですね!」


「精霊魔術が属性攻撃なら、白魔術は属性サポートと例える事が出来るな」


「自分や他の人の魔術の攻撃力を上げたり身体能力を高めたりと、結構汎用性が高い魔術が多いですもんね!」


「これと反対で能力を下げる事も出来る・・・つまり、妨害にも役立つ訳だから、当時の戦争では重宝されていたらしい」


「逆に平和になった今では重要視されなくなってますが、色んな国で開催されている”魔術闘技大会”のチーム戦では大活躍しますよね!」


「デカイ規模でやってる大会では必須だな・・・だけど、この魔術は極めるとこれ以外にも役立つことがある」


「役職にもよりますが、研究者なら白魔術を利用して若さを保つ方法を研究したり、商人ならポーション作成にも役立つ魔術ですね」


「能力の上昇や減少だからな・・・使い方によっては俺達の生活を支えるって訳だ」


「それでは、これとは反対の黒魔術について次は語っていきましょう」


「名前の色は確かに反対だが・・・能力自体は全然白魔術とは関係ないからな」


「エヘヘ、とまぁ茶番はこれくらいにして・・・黒魔術とは、悪魔や邪神に力を貸してもらって行う魔術です」


「悪魔ってのは簡単に言うと闇の存在だな」


「精霊や神様が私達の光なら、悪魔や邪神はその逆って事ですね!」


「悪魔が精霊と、邪神が神様と対を成す存在って訳だ」


「悪魔の上位が邪神と言われているだけですから、実際に神様とは違うんですけどね」


「そうだな・・・さて、改めて説明すると神様に力を貸してもらうのが神聖魔術、精霊に力を貸してもらうのが精霊魔術だったように、悪魔や邪神に力を貸してもらうのが黒魔術って訳だ」



「でも、こちらは使い方に注意が必要です・・・何故なら”代償は必ず本人を苦しめる”からです!」


「コイツが怖がらせようとしてる部分もあるが、説明自体は事実だ・・・神聖魔術は制約を守れば使えるが黒魔術にはそういったものは無いのが特徴だな」


「ただ、前提として悪魔や邪神と契約を行わないといけないのです」


「契約方法は先人が実際にやって成功した方法とそれで出て来た悪魔の詳細が書かれている”黒魔術悪魔全書”を読むと全て理解出来るだろうな」


そう、ここが違いであり分岐点である。

神聖魔術とは要は神の信仰心に応じて制約や魔術の威力が大きく変わるが、黒魔術はそういった事は一切しない代わりに契約を行わなければならない。

”制約”と”契約”の違いを此処で解らせないと後々危険な事になりそうだな。


「要は魔術を使う条件を一々満たさないと使えないのが神聖魔術だが、悪魔と契約する黒魔術は”使った後に代償を払う”代物・・・要は後払いか先払いかの違いだが、これにはさらにデメリットがある」


「もし、悪魔と契約したのなら魔術を使う度に約束した内容の代償を払う・・・つまり、寿命を代償に契約したのなら黒魔術をを使えば使う程短命になっていきます」


「もちろん、契約する悪魔の強さによって代償は違うが・・・少なくとも邪神クラスならさっきルーファスが言ったような事を求められるが、それ相応の強い魔術が使えるのも事実だ」


「でも、黒魔術を使う為に契約を行おうとすると自分の強さに合った悪魔が自然と引き寄せられるという不思議な現象が起きていますから上手く説得すれば代償を軽くして強い魔術を使う事も出来ますよ!」


「要はハイリスク・ハイリターンな魔術だが、使う時は自己責任って事だな」


「そう考えると中々癖があって扱い辛い魔術ですけどね・・・では、このまま召喚魔術の説明に入りましょうか!」


「そうだな・・・このまま行くと関連が深いのが召喚魔術だからな」


精霊に悪魔や邪神に九神・・・・こいつらの存在を続けて紹介したのはここに引っ張るためでもあったが、正直言って一番使ってほしくない魔術だな。

下手したら術者が死ぬ可能性もあるし、そこは先輩としてデメリットを理解させてやらないとな。


「言葉からも分かる通り、召喚魔術ってのは今まで紹介した精霊や悪魔といった存在をこの世界に召喚する魔術だ」


「だけど、この魔術を扱えるのは世界でも極僅かだと言われているのです。」


「神様そのものを召喚するともなれば、魔力以外にも自然界の力が居るのは当然として・・・それでも、術者本人の魔力が弱ければ召喚して数秒で力尽きて死んでしまうからだな」


「もし召喚したとしても制御が出来ないと術者も殺されてしまう程危険な魔術ですしね」


「契約してる悪魔や力の弱い精霊を召喚するだけでも大半の魔力は吸われるから、基本的には使われないな」


「もちろん極めたら凄いですけど、この魔術を使うなら黒魔術や神聖魔術を使った方が効率が良いと先人達も考えてたようですからね」


「要はロマン砲だな・・・魔力が高ければ使える訳でも無ければ魔力のコントロールが上手くても使える訳じゃない、自分や仲間の命が危険に晒されていてこれしか方法が無いという時に初めて使うってレベルだな」


「人生で一回使う場面が訪れただけでもすごいですけどね・・・ともかく、遊び半分で使ったら取り返しの付かない事になりますから注意してくださいね!」


「良し、召喚魔術はこんな所だな・・・次は錬金術だが正直言ってコイツは魔術の学問じゃないんだ」


「最初に例外って言ったのもあるんですが、これは実戦用とかでは無く”武器やお薬の生成”が主となっているので、学問としては例外扱いになるんです」


「例えば白魔術でも言ったポーションだが、これは俺ら素人でも作成出来るが錬金術を使えばさらに上位のポーションが作成出来たりするって事だな」


「さらに、その人の魔力に合わせて作る魔道具何かは錬金術で作りますからね・・・一種の職人ですよ」


「魔力のコントロールを安定させたり、魔力を放出しやすくさせたりと・・・用途と使う人のステータスによって作り方や材料も違うからな、ただ魔術師と一番関係が深いから今回は紹介したって所だ」


「その中でも注目すべきは”エンチャント”です!」


「確かに、最も魔術師が頼りにしてる能力だな」


「なんせ使いたい武器に使用者の魔力を一旦宿らせるだけで後は錬金術師の人達が加工してピッタリと合うようにしてくれるんですから」


「しかも、一度宿した魔力は自然界で回復するから魔術で必要な魔力を武器から取って属性を武器に宿らせて攻撃する事も出来るからな」


「武器が魔力を失っても使用者が武器に魔力を宿らせればまた使えますからね!」


「ま、これはどの魔道具でもそうなんだけどな・・・っと、丁度時間だな」


話を進めていると何処からか鐘の音が聞こえて来た。

これは数日滞在していていつも聞いていたから分かる。これは昼の時間になった事を知らせる音だと。


話も一区切り付いたので、俺達は昼休憩を取るように言って解散させた。

俺達も要約一休みが出来るというものだ。


後半も長いので、続きは次のページから書くとしよう。

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あとがき


皆さま、お久しぶりでございます。

長い事投稿して無くて申し訳ございませんでした。


話は纏まっていたのですが、これを文章にするのに思ったより時間がかかりました。

ですがなんとか講義も半分進んだ所で、一応一安心という所ですかね。


まだ後半がありますが、後1話使って要約「クーレタイト編」も完結となりそうです。


それでは、また次のお話でお会いしましょう。

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