3回表「ストーブリーグ開幕」

 12月から2月までのシーズンは、寒さのせいでモンスターが少ないので、ペナントレースは休止する。この期間は、ストーブのある室内で救団は仕事をするので、ストーブリーグと呼ばれる。

 

 この間に各救団は戦力補強を行い、各選手は自主トレや、シーズンに備えて実際にモンスターを狩りに行くキャンプを行ったりする。

 そして、チームの再編成もこの時期に行われる。



 そして、俺バリントンもその編成に呑み込まれようとしていた。


「か、監督おれが、トップチームですか。」

 

 1月の集団トレーニングの初日に俺は監督に呼び出された。

 

 トップチームは救団で最もWPを稼ぐと期待してるチームで、通常年棒が高い勇者が配属される。俺のような通常9万Gの選手は配属されない。


「あぁ、俺はお前の制球力を買ってる。お前は今抑えに回ってるが、むしろ才能は中継ぎ向けだと思うんだ。」

 中継ぎとは、敵モンスターの動きを止める役目で、去年のうちのチームだと弓矢使いのショーツカが務めていたポジションだ。


「それにしてもトップチームですか。」


「トップチームの中継ぎが調子悪くてな、キャンプでお前を試して良かったらトップチームを使おうと思う。チャンスだぞ。」


 確かにチャンスだ、トップチームに入れば確実にWPが稼げて、しかも中継ぎならホールドがつく。うまく立ち回れば年棒が2倍になるかも。

 

 ドーダイのチームには悪いが、今のチームは本当に割に合わない、明らかにドーダイにセーブを奪われてる感じするしな。中継ぎなら徹底して、仲間のサポートに回ればそれだけで、今期は年棒上がる。


 頑張るぞ来シーズン!めざせ年棒2倍!いや3倍だ!






 

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