困ったシャトル

杓文字

第1話 ゼロ式 準備段階

コトッ、


モンキーを置いた音がした


ギコギコなんて聞こえない


ここは、3D製作所


ジャーっては聞こえるのかもしれない


整える時の工作音


蓋をして置いたままの壺


それに浸かってるのは、ある日からとは言わん鬱な空気


何と何を交わし 何が閃きあってきたのか


ことが面白く運ぶことなんてなかなかなかったって記憶だ


それでも夢には近づいているはずだ


まだそこに何が待ち受けているなんて、知る由もない工場長


作れば作るほど失敗に見舞われてきた


何か学べたか?


って それそれぞれのそこにあることで活かしようはないと


それでも探究心は止まらない


その日の昼ごろ


だったと思われるが、


一人ピンときた顔をしていた工場長


何をしだすかと思ったら


ゴミ箱を漁り始めた


捨ててしまった何かの部品が、思わしくらしく


それでもう一度確かめんとしているんだそうな


「工場長ー!お茶いれときますねー!」


お茶くみのP子ちゃん


暮れだすと、工場の周りは 帰宅中のリーマンで少し賑わう


しかしその人たちの姿は、影が踊ってない


それは、週末になってもそのままのことが多い


工場長は、そんな景色を、ここで20年見てきた


当人と比べるわけではないが


それは未来をある意味案じさせる 感慨深いものだと言ってたの聞いたことがある

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