第94話 鉄拳とオレ。

 「プラム~。機嫌直して~。次はプリンの美味しいお店だからさ。」

 もぐもぐ。

 「ご主人様に、怒るなんて事しないにゃん」ぷんすか

 「この店の食器も、呪いがかかってるとなると、プラム商会への攻撃かな?」

 「そうにゃんね。次の店も同じなら、モグモグ問屋どんやのトップに会いに行きますにゃん。」ぴきぴき


 次の店のプリンも美味しく食べたでちゅ。


 「これで、ほぼ、間違いないな。」

 「モグモグ問屋どんやからは、かなり、仕入れていますにゃん。裏切られてたにゃんて!」キー

 「まぁまぁ。途中で花でも買っていこう。」

 あれれ?怒れる女性陣に気を遣う構図でちゅ。


 花を買かって気分を・・・って、なんて毒々しい花を買うんでちゅか!


 モグモグ問屋どんやへやってきた。

 約束もせずに、トップとの面会は失礼だが知ったことではない。


 「スモモが来たと。主のカンスーを呼びにゃさい!」

 「黄金猫さま!は。はいぃー!ただいま!」


 モグモグ問屋どんや内は、スモモの怒気に押されて、てんやわんやしている。

 「主は接客室で待っています。こちらへ。」


 身なりのいい中年の土竜もぐら獣人の男がにこやかに対応する。

 「いやー。いやいや。これは、スモモ様。ご機嫌きげんうるわしゅう…。」

 「ご機嫌に見えるにゃんか?!」


 テーブルにバンと皿を叩き付ける。


 「こここ、これが、どうかしましたか?」

 めっちゃくちゃ挙動不審でちゅ!


 「わからないなら、このまま、帰ってあんたの店をつぶすにゃん。」ぎろり

 こわっ!こわっ!でちゅ。


 「ひー!すみません!ガルガル商会に脅されまして、1回だけ1回だけと何度も…。」

 ガルガル商会は犬獣人の商会でちゅ。この世界では、猫と犬は仲が良くないでちゅ。


 「1回でもダメにゃんだけど、今回は特別に許すにゃん。卸した呪いの品をリストアップして送ってくださいにゃん。」

 「ははー。仰せの通りに!」


 花を渡して、モグモグ問屋どんやを後にする。


 「いやー。スモモさん・・怒りが収まって、よかったです・・。」

 「ご主人様。スモモの怒り収まってないにゃんよ?」

 「え。」

 「スキヤキさん。カレナチャの花言葉は、“ゾンビになってでも無償で働け”ですにゃん。それと、リキーダの商工者ギルドにこの事を大々的に伝えて、ガルガル商会を排除しますにゃん。」

 「ははは。」


 こわっ!こわっ!でちゅ。・・・も《・》?!

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