第91話 卒業とオレ。

 大破壊の阻止、中級魔族の討伐、及び、魔族の弱体化の発見により、南種国連合カラフルコンベンションの国々で歓迎のパレードが行われる。

 ぞう獣人の国では、もちろん。うさぎ獣人の国では、大量の人参を振る舞われ、麒麟きりん獣人の国では、大量のわらを振る舞われ、とら獣人の国では、大量の生肉を振る舞われ、鹿しか獣人の国では、大量の米を振る舞われ、栗鼠りす獣人の国では、大量の木の実を振る舞われ、わに獣人の国では、大量の生魚を振る舞われ、サイ獣人の国では、大量の芋を振る舞われる。


 どこいっても、メインディッシュが調理してないでちゅ!人には辛いでちゅ!


 「ハーナ、ナーナ。栗鼠りす獣人の国にとどまりたいとか、思ってたりしない?」

 「ごしゅじん~。初恋の話~?」

 「嫉妬しっとです~?」

 「いや、そんなんじゃないよ!」

 ち、違うでちゅ!

 「「かわいい~~」」むぎゅー


 そんなこんなで、2年がたち、22歳になった。

 ガリあんの活躍も大いに知れ渡っており、ともに、土神の7年祭のパレードに参加するため、グランの都にきている。

 「プラム、アンズ、ハーナ、ナーナ。みんなの故郷だな。」

 「はいみゃ。スキヤキ様。」

 「ご主人様との旅はここから始まったにゃんねー。」

 「3回前の7年祭の時に、プラムや、冒険者ギルドのクレアっち、探索者ギルドのガリあん、魔導士ギルドのコーっぺに邪神の信者たちから救ってもらわなかったら、今のオレはないからな。」

 「にゃにゃにゃにゃにゃ!その話、本当だったにゃんか?!」

 「みゃ?!じゃ、にゃーの家が小さい頃にもらった大金って、スキヤキ様からみゃ?!」

 「うん。そうなるね。プラムありがとう。」

 改めて、感謝でちゅ。


 「にゃーたちこそ、ご主人様に会って、ギリギリの生活から救われたにゃん。」

 「今や、超お金持ちだよな?」

 「妹のスモモが、やり繰り上手で、資産が倍々に増えていってるにゃん。」

 「あたいらのお金も~。スモモちゃんに~、やり繰りしてもらってるです~。」

 「そ、そうなのか?程々にしたほうが、いいと思うが、余計なお世話か。」

 「スモモ姉。会うたびに目が金のマークになっていってるみゃ。」

 重症そうでちゅ・・・。


 ≪レター≫


 「プラム。どうした?」

 「他の姉妹に連絡して、スモモが資産の半分を使うまでは、資産を増やすの禁止にさせたにゃん。」

 「いや、オレの意見なんて聞かないでいいんだよ。」

 「丁度よかったにゃん。」

 「丁度よかったみゃ。」

 「それなら、いいか。オレも資産が凄いことになってるから、残りの寿命で人のためになるものを残そうと思うんだ。」


 「「「「…!」」」」


 「ご主人様!まだ、死なないにゃん!」

 「みゃ!」

 「「死なない~!」」

 「死ぬつもりはないよ。でも、プラム、アンズ、ハーナ、ナーナ。みんなと一緒にいて恋しないなら、他の誰とも恋できるわけないよ。」

 「「「「!!!」」」」キャッ~♪


 「さ、パレードがはじまる。ゴーレム馬車に乗って、みんなに笑顔を送ろう!」


 俺の寿命はあと2年、恋旅こいたびは卒業でちゅ!








 ゴーレム馬車から群衆に向かって手を振っていると、初めて見る獣人がいた。

 あ。山羊やぎ獣人。まだ、ナンパしてないでちゅ。今夜、抜け出して試すでちゅ!

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